薄桜鬼 総評
薄桜鬼 ポータブル(通常版) (2009/08/27) Sony PSP 商品詳細を見る |
プレイヤーは、父親を捜すために京を訪れた娘・雪村千鶴(名前のみ変更可能)となり、奇なる縁によって結ばれた新撰組隊士たちと行動をともにすることになる。
また乙女ゲーですいません。ちまたで大人気(?)の薄桜鬼を借りてプレイ。
絵は(好みはあるだろうけど)文句なく綺麗。
キャラクターも一通り好きでした。
だが主人公が。
あとシナリオが。
正直イマイチというかもにょもにょ。いや面白くないわけではないんやけども。
「えっなんでなんで?」という感じというか。もにょもにょ。
ちなみにゲーム性は皆無といってもよかった。
ひたすら文字を追っていくだけ。たまに眠くなる笑
選択肢もめっちゃ少ないし、もうちょっとなんか欲しかったなー。
<システム>
システムはわりかし便利。
セーブはくそ遅くていらつくけど、クイックセーブがあるし、PSPソフトにしてはロード時間もそんなないし。
スキップとかも、一回読んだとこはボタン一回押すだけでほったらかしにできて便利。
ログの巻き戻しなんかも出来るし。
まぁくそ簡単なゲームなんで、システム周りすら便利でなかったら一体どうなっとんのか疑問に感じてまうけどね。
ただ声が……。叫んでいる時はまだしも、ささやき始めるともう全く聞こえないキャラクターがいる。
BGMの音量下げて音声の音量上げても無駄なんやもんなぁ。あれには困ったぜ。
あと地の文がちょっとイマイチ。
そこ書かなくてもよくないか? ってとこがいっぱいあった。あと全体的に洗練されてない印象。もったりしてて読みづらい。というか正直文章下手くそ。
<ストーリー>
「これは乙女ゲー」と言い聞かせてもつっこみたくなるところが多々。
まず、初っぱなから
・主人公が新選組の見てはいけないとこ見る
↓
・可哀想だけどよし殺そう
の流れなのに、気づいたら「(主人公の)親父を捜すのを手伝うのに身内がいた方が便利」というわけのわからん理由で居座らせてもらえることになる……ところまでは許そう。(別に主人公いらなくね? って思うけど笑)
いつのまに監視付きの居候から守られる姫に……?
ただの厄介者でしかない主人公をなんで大義のある新選組がそんな使命感にメラメラ燃えてまで守ろうとするのかが完全に不明。
すげー隊士とか死んでるけどいいんですか。
主人公は貴重な女鬼ということで、鬼軍団にも狙われて、ぶっちゃけ存在そのものが害やというのにね。
まぁそれでも後半は「お前のこと好きだから守る」って言われるのでふんふんって感じですが、ついこないだまで「よし殺そう」やったくせに唐突に守り始めてくれる序盤~中盤の流れはちょっとぽかーん。
あと主人公がほんまにねえ。役立たずにもほどがあるわ!
基本良い子やし可愛いんですが、もうひたすら役立たず。
町中で突然襲われるのはまあしゃあないとして、だいたいが
・「私にも何か手伝わせてください」としゃしゃる
↓
・結局襲われて守られて誰か死ぬか怪我する
もしくは
・(何故か)戦場まっただ中に付いていく
↓
・結局襲われて守られて誰か死ぬか怪我する
という最悪な流れしかない。
おいおい戦えねえんなら頼むから安全なとこでじっとしてろよ。(そして連れて行くなよ新選組)
たまに伝令とかこなすんですが、女の足じゃむしろ邪魔だろ。
あと伝令に護衛つけるってどういうこと。そいつが伝令で良いだろどう考えても。
なんかそれで「私のせいね」って悲観されても。そりゃそうだとしか言えないぜ。
そしてそんなことさせる新選組おばか過ぎる笑
良い子なんやけどなあ……。あと気合いだけはあるんですが。
そんなしょっちゅう戦場に出るんなら「風光る@渡辺多恵子」とか、「遙か3」の主人公みたいに、「守られるだけじゃなくて私が守る!」くらいの勢いが欲しかったなぁ。戦えよぉ。
そうじゃないんなら戦場にはやむなく出向くだけで、あとは巻き込まれるとか。
医者の娘設定なら、もっと医者っぽいポジションをゲットすればよかったろうに。怪我しまくる連中やし。
設定といえば、主人公の女鬼設定も全然生かし切れてなくて正直戸惑った。
風間さんに狙われるためだけとしか思えぬ。
このアイデンティティすら揺らぐルートがあるしな。もうどうしろと。
でもこういう大本の突っ込み点以外は、実はわりかしよかったです笑。
それになんで新八っつぁんが攻略できんのだ!!!
全編通してかっこよかっただけにほんと無念だよ。
ほかにも山南さんとか山崎くんとか……大鳥さんとか……不知火とか……よかったのになぁ。
あとどのルートでも源さんかっこよすぎる。いつでも輝いとる。
個別感想はのちほど。
(追記)
……と思っていたのですが、オマケ要素の遺聞がほんとーーーによかった!
なんというか、わたしの求めていたものはこういう、「主人公をなんで好きになったの?」とか、「ありふれた愛すべき日常」だったんだなぁ、と思いました。
登場人物それぞれが(土方さんだけ出会う前だったので不完全燃焼やったけど笑)、さり気なく主人公に惹かれていたことがわかるオマケで、ああ、だからなんだなーと割合すんなり納得。
最近めきめき進化しつつある妄想パワーで、本編での不満点が色々補えました。
こういうのを本編にも挟んで欲しかったなぁ。
そしたら、なんでみんながあんな必死こいて主人公を守ってくれるのかについて疑問がもやもやすることもなかったのに。
クリア後に見られるとかあまりにも遅いっ!
あー、もっと日常が欲しかったなぁ……。
・キャラクター感想
好き:風間>平助≧斎藤>原田(>山南)>沖田>土方