忠義一本の可愛いやつ。
・布都彦ルート
さてまずはじめに、この感想から狭井君のことをちまたで大評判のサイババと呼ばせていただくことにします。
サイババくそすぎる!
「国に対する忠義か姫への愛か」で揺れる布都彦ルート、分岐が早いせいか物語も長くて細かく、丁寧だったような気がする。
あとボイスイベント多くないか?
ちゃんと大事なところはボイス付きで、やればできるやんっ! とかなりテンションあがった。
アップも多いし、さらにアップの泣き顔やら照れ顔やら表情豊かで、なんとなく布都彦優遇されているような……。いやとてもいいことなんですが。
しかしいちいち布都彦は可愛い。「破廉恥なっ」とか、古風に純情でとってもきゅんきゅんします。
くそ真面目で天然発言をするところも好きだ!
ストーリー的には的はVS黒龍とサイババで、常世どこいったって感じですけど、兄の犯した罪に苦しみ、自分も同じ轍を踏むまいと悩み、でも止められない姫への思いと葛藤する様がすごく好きなルートだった。
ともかく彼は悩んでいるときも守ってくれるときも「姫……」「姫!」と連呼してくれるのでなんだかものすごく愛を感じるのだな笑
逃避行・肩を貸す布都彦のスチルなんかもすごくときめいたー!
あと、主人公も「黒龍を倒す!」ってことでブレず芯が通ってて、いままでで一番かっこよかった!
どっちかというと布都彦側の気持ちで話が進むので、布都彦に恋をする! というよりは、布都彦が姫に恋をするのを見守る! という感じ。
しかし、サイババほんとなんなの? という気持ちが果てしなく私をいらつかせた。
サイババの目的というか、民でなく姫でなく「国」そのもののためにどんな非情なことでもする、そういうかたちがあるのはまぁいいんですよ。
でもサイババほんとなんなの?
サザキのときも思ったけど、サイババのしていることって必ずしも国のためにならないことが多い気がするんだよなぁ……。
矛盾してるんだよすごく……。今回特にそれが目について仕方ない。
今回だと、現れた黒龍を倒そうとする主人公を「民を混乱させないために、国の礎たる龍に敵対してはいけない」と戒め、軟禁するくだりまではまだ百歩譲って理解できないこともない。
でもそのあと、布都彦に主人公を説得させて、黒龍を封じる矢を抜かせようとした挙げ句、なおも黒龍を倒そうとした主人公を謀叛人として追い、最後は自分が国ごと呪詛をかけて(関係ない人も苦しむ)黒龍を倒そうとするってなんなの? そんなことしてなんの利益があるの?
「龍に反する姫」というかたちを封じるだけだったらずっと幽閉しとけばいいと思うんだよなぁ。
だって、サイババも黒龍が結局は国と人にあだなすものってわかっていたのよね? 最終的には倒さなきゃいけないってわかってたのよね?
うーんわからん……。サイババがアホすぎる……。
でも今回はサザキ編と違って、謀反人として主人公が終われているときにも名もなきモブが「お助けします姫」つって来てくれたことでがぜん「国を守るぜ!」というわたしのテンションは高まりました。
「国のために」系のお話において、こういうモブの動きって大切よね……。
しまったサイババ語りになってしまった。
サイババ以外は布都彦ルート、大変よかったです。
最後もほのぼのラブラブで、後日談も「必ず姫を迎えに行くので待っていて下さい」と言う布都彦がオトコマエでオトコマエで……!
前回が忍人で鬱ルートだったのでほんと救われました。ありがとう布都彦!
それにしても布都彦はやればやるほど3の敦盛を思い出してしまった。
可愛くてきまじめな年下キャラって被りすぎじゃないか。いや好きですけど。