※このプレイ日記はネタバレの塊です
常にテンションマックスの高笑い男から一転、個別ルートはすごく切なくなるお話でした……。
このルートでの科学部の絆に泣いた。ほんと、科学部のみんなが好きすぎる。
共通ルートでは、とにかくテンション高く科学部を引っ張り引っ掻き回しつつ、他の人の個別ルートではいつも冷静に諭してくれる部長。
この個別ルートでは、そんなどちらの部長さんとも違って、すごく弱くて不安定な姿を見せてくれました。
このルートでは、主人公は部長に付き合って一緒にツリーの研究をすることになるんですが、なんと、部長がツリー研究をしている理由というのは、「過去に交通事故で死んだお父さんを、遡って助けたい」という理由だったんですね。
これにはたまげたなぁ。
いつでも明日と向き合うことを優しく厳しく諭してくれていた部長さんが、まさか一番過去に囚われていただなんて……。
衝撃の告白から日々一緒にループ研究を重ねて、少しずつ仲を深める様子はすごくよかったな。
というか、途中から明らかに両思いなのに、どっちもそうと意識しないところが自然に微笑ましくて笑
「男はオオカミ!」事件とか、折々にはさまれるおもしろエピソードもよくてねぇ。一緒に乙女ゲーをするところなんか大好きだよ。
そんなこんなでやっていくうちに、ついに過去に戻るための方法が見つかるのですが、そこで明かされるのは、「過去を改変したら恐らく今はなくなってしまう」ということ。
科学部もなくなるし、主人公と部長もたぶん出会ったりしない。
過去を変えるとはそういうこと。
そうわかっていて、わかっていて主人公と一緒に研究をしてきただなんて、部長はなんて残酷なんだろう……って思ってしまいました。
父親を助けたいという部長の想いも、そのために必死に研究を重ねてきたことも、部長が今まで味わってきた孤独も、主人公を、科学部を、仲間を、とっても大切に思ってくれていることも、今まで見てきた。
お父さんを助けたい部長に頷いてあげたい、でも、でも……!
だって、今を否定するってことだよ。
あんなに愛してきた科学部よりも、お父さんが大事なの? って思って、ほんと、ほんと悲しかった。
自分の思い出も(いや、プレイヤーであるわたしの思い出は消えないんだけど、気持ち的に)消えちゃうんだよ……。
いや、違うんだ……お父さんを助けたい部長も応援してあげたいって気持ちもあって……。
部長さんも悲しくて辛いってわかってて……。
なんだろ、すごくごちゃごちゃした気持ちになりました。
そういうごちゃごちゃした気持ちを持って、でも部長の背中を押してあげられる主人公はすごく健気で強いなぁと思った。
一番泣けたのは、科学部のみんなが、部長さんの背中を押してあげるシーン。
木野瀬くんに続いて、篠原くん、カガハルくん、先生と立ち上がっていくところでは、もう号泣しました。
木野瀬くん以外はもうルートを終えているので、彼らの科学部に対する思い入れも知っていて、それを考えるといろんなものが堪えられなくなる。
特に篠原くんなんて、科学部が存在しない世界での孤独をわかってただろうに……。
あのとき立ち上がったみんなの気持ちが、本当に、あたたかくて切なくて……。
過去に戻って、ついにお父さんを見つけて、過去を変える言葉を伝えに行く部長を見守る主人公が、その場に居合わせた10年前の部長さんに、堪えきれずに心情を吐露するシーンも泣けたな……。幼い部長もすごく優しいのがまた。
その後戻ってきて、過去を変えて今を消すことよりも、今と、今から繋がっていく未来を選んでくれた部長さんは本当に素敵でした。
「僕は、救えなかったんじゃない。救わなかった!」
と言って泣く姿が印象に残っています。
でも、色々なものを乗り越えて、明日を迎えることを受け入れるようになった部長さんはほんとかっこいい。
最後、科学部の面々に明るいピースサインで主人公との交際を告げるところがすーーーごく、かつてなく爽やかなエンドでした!
しかしやれやれ、久しぶりにPS2を起動できてよかった!
早いとこ木野瀬くんをやりたいな。メインヒーローですねっ!