夏空のモノローグ 総評
夏空のモノローグ (限定版:設定原画集同梱) (2010/07/29) PlayStation2 商品詳細を見る |
ある夏の日、同じ時間を何度も繰り返すタイムループ現象に見舞われた男女の愛と絆を描く、女性向け恋愛AVG。
本作では、繰り返される7月29日の謎を追いながら、最終的に"心地よい今に留まる"か"不安な明日を迎える"かを選択することが大きな目的となる。
グラフィックをより際立たせる"VNRシステム"の採用により、従来のオトメイト作品とは違ってテキストが表示される領域がつねに変化。
マンガのコマ割りのようにイラストの位置を変えることで、物語への没入度を高めている。
また、20種類以上のイベントの中から好みのシナリオを選べる"LRCシステム"搭載により、何周プレイしても飽きのこないゲームに仕上がっている。
4.5にするか5にするかめっちゃ迷ったんですが……篠原くんとカガハルに免じて、甘めの5にしました。
「泣ける乙女ゲー」としては、今までやった中で一番だと思います。
<システム>
このゲームの売りでもある「VNRシステム」が正直よくなかった。
いろんなカットが入るのはいいんですが(そのカットもスチルみたくオマケで見られるのはさらにいいんですが)、普段の文字表示が立ち絵・スチルにもろ被りというのが許せない。
このシステムを考えた人間って、乙女ゲーをやる人間が何のためにやると思ってるんだろう?
「絵を見せる」ってのがかなり重要なファクターなのになぁ。
背景や立ち絵・スチルのレベルが「さすがのオトメイト」といえるハイクオリティなだけに、見えないのがほんといらいらしました。
1週目とかほんとイラついた。だんだん慣れてきますけどね笑
あと、スキップとかオート機能がいまいち。遅いんだよな。セーブも12個で少ないし。
他は普通かな。基本、いつものオトメイト。
デフォ名呼びは欲しかったなぁというのもあります。
もうひとつの売り「LRCシステム」はすんごくよかった。
周回ごとにイベントが増えていくから飽きないし、それぞれのシナリオもすごく面白い。
基本的に部長は光り輝いてますw
グラフィックも、世間的には「地味」という評価らしいですが、あんまりきゃらきゃらしてないし、綺羅綺羅しすぎないってことで、わたしはかなり好きな雰囲気でした。
夏っぽい透明感・爽やかさのある画面で、かなりよかった。
音楽もよかったなぁ! BGMが合ってたのはもちろん、特筆すべきはOP。
もう、このOPが好きで好きでたまらない。
文章は、たまにモッサリしてんなってとこもありますが、基本的にはよかったかと。
てか、正直文章が洗練された乙女ゲーなんかやったことないしね。
<ストーリー>
これがよかった。もう、シナリオがすべてと言っても過言ではないよ。
序盤(共通ルート)の科学部での和気藹々とした雰囲気、中盤(個別ルート前半)の甘酸っぱいニヤニヤできちゃう恋愛模様、終盤(個別ルート後半)の涙なくしては見られない怒涛の展開……。
どのルートも見事なシナリオだったと思います。
みんなよかったけど、特にカガハル・篠原くんはほんと最高。
詳しくはネタバレになっちゃうし、個別感想で書いたから割愛しますけど、ほんとよかった。号泣した。
どのルートも思い入れがすごく強くなっちゃうのよね。他のルートを攻略しながら、以前に攻略した彼の背景を思って、すごく切なくなったりしてしまうこともあったよ。
それぞれのルートでも、攻略対象だけじゃなくて、他の子たちもいっぱい絡んでくれるし、活躍してくれるのが嬉しい。
部長や先生は、個別ルートでもいいけど、他のルートでのサポート役としてのかっこよさがすごかったな、と思います。
周回プレイでも飽きさせないつくりも好感触。
イベントが追加されていくところとか、オープニングが地味に変わるところとか、1週ごとになんとなーく謎解きができていく、その程度も絶妙だったなと思います。
エンディングを迎えるごとに物語の根幹に関わるショートストーリーが公開されていくのもよかった。
ただ、ラストの綿森ルートというか、物語のまとめ方だけはちょっと、賛否両論あってもおかしくないかな、と思う。
このゲームを「ひとつの物語」として見るとか、恋愛ゲームじゃない普通のアドベンチャーものならいいんだろうけど。
乙女ゲームで、ラストの攻略対象以外、他のルートは全部ループのひとつでしかなくて、最後は綿森ルートに行き着くことが決まっているってのはちょっとどうかなと思ってしまいました。
せっかく育んだカガハルや篠原くんとの愛情が、公式設定ではエンディング後すぐにブチっと消えて次のループに移行しているだなんて、辛すぎる……。
まぁ、駄目だしはこのくらいです。
プレイして損はしないと思う。
わたし、人生で初めて限定版というものを買ったんですが(ブックオフで運命の出会いを果たしまして)、全然後悔してません。
ほんと、良作だった。
VNRシステムを改良して、PSP版で出してくれたら買うかもしれない。
全然売れてないので、出ないと思うけどね笑
・キャラクター別感想
→加賀陽
→篠原涼太
→浅浪皓
→綿森楓
好き:カガハル=篠原>沢野井>綿森=浅浪>木野瀬 でもみんな好きです!