死神と少女 日生光攻略
※このプレイ日記はネタバレの塊です
まず、想像の遙か上を行くアダルトなストーリーに度肝を抜かれた。
プリンスたちの手の早さなんてめじゃない。あと、主人公も。
告白→付き合う→その日に体の関係を持つ→事後描写
こんな流れの乙女ゲーがかつてありましたか? いや、ない。少なくとも私がやったうちでは。
個別ルートに入った瞬間、こんなシーンに遭遇するとは……。
日生の手の早さにはもちろん、主人公の貞操観念の薄さに心底驚きました。
まして、それまではそこまで主人公も日生もお互い好きな感じがなかったから、余計に。
思うに、主人公は、自らを求めてくれる異性に弱いのかな。
兄に対する依存も尋常じゃないし、好かれてればそれだけで依存してしまうような危うさを感じました。
共通ルートでも思ったけど、この主人公の独特さは、群を抜いてるよなぁ。
乙女ゲーの主人公として、これはありなのだろうかとしみじみと思ってしまいました。
出自の重さはありうるとして(主人公は、庶民出の父とその愛人との間の子。ともゑのときをはじめとして、ちょくちょく出てきた主人公の不安定さはここからきているみたいです)、病んでる程度が半端ない。まぁ、このゲームほぼみんな病んでるんですけどね。良心は桐島先輩だけですよ。
日生と兄の胡散臭さは尋常じゃないよね、ほんとに。
終始デロデロに主人公を甘やかす日生(人前で平気でちゅーしたりする)と、それに依存していく主人公(実はかなり性に対して積極的)いう、なんとも穏やかじゃない展開。
イチャつくという意味での糖度はもんのすごい高いけど、「何かある」という雰囲気が漂いすぎて、ずっと冷や冷やしていました。
ものすごい障害になるだろうと思っていた兄と蒼も、ルートに入った瞬間蒸発したかのように姿を見せなくなるし……。
蒼はまだしも、主人公の部屋でもイチャつくもんだから、いつ兄がやってくるのかと思ったら来なかったというw
一気にそのルートにふさわしい世界になってしまうところなんて、すごくパラレルワールドっぽい。
なんというか、このゲームはほんとに大本は一本の話なんですね。
話の途中でルート分岐するという特殊性は、大本の話以外はあくまで一本の話からの「派生」「アナザーエンド」なんだと主張しているみたいですよね。
謎の女生徒とイチャついてるシーンがあったから、どうせ主人公のことが本気で好きでないとか浮気とかそういうのだろうと思っていたら、女生徒カケラも関係ない。
日生そのものが偽者という展開には最高に滾りました。めっちゃびっくりした。
実は主人公と付き合っていた、登場人物として現れていた日生は、金持ちの坊ちゃんである「日生光」になりきっていた偽者なんですよね。
本物の「日生光」は、家出したまま戻っていなかったという。
偽日生は、日生家の財産狙いの詐欺師。主人公に告白したのも、主人公の家の「遠野」が欲しかったからという理由。
いいよいいよ。こういうの最高に好きだよ。
EDは、偽日生と駆け落ちするエンド(たぶんトゥルー)と、真日生と結婚するエンドでした。
どっちも、死ぬほど退廃的でよかった。こういうのもいいなぁ。
乙女ゲームとしての楽しさはあんまりないけど、物語としては美しい。
そんな不思議なゲームです。