お昼寝タイムズ@ゲーム

ゲーム感想。RPG、SRPG、ADV、アクション、乙女ゲー、ボブゲが好きです。辛口め注意。

TOKYOヤマノテBOYS HONEY MILK DISC 百瀬歩夢感想

TOKYOヤマノテBOYS Portable

※このプレイ日記はネタバレと愛ある悪口が多分に含まれています

彼の頭(髪型+帽子?)がどうなっているのか気になって仕方なかった。

まずはじめに言っておきますが、代永声の可愛い系ショタわたしが乙女ゲーで最も苦手とするキャラ設定です。

なので、申し訳ないが歩夢君にはちらりとも心動かなかった。本当に申し訳ない。

世間一般的には、可愛い系だけど実は男気あふれる! とか、似非関西弁! とか、(多分)うける(のかもしれない)設定なのか……な?(千木良@カエル畑の似非関西弁は確かに萌えた気もする)

で、話を戻しますと。

TYBとは、7日間の告白大会。ランダムで選ばれたプリンセスが、各地の選抜男子たちと7日間デートして、最後にひとりを選ぶというもの。

ディスクごとに3人ずつに分かれていて、そのディスク担当でない6人は半ば無理矢理に速攻で敗退してましたw

各キャラ恋愛ルートとノーマルルート(恋愛とちょっと終わり方が違うだけ)をクリアすると、真相ルートが開通。

真相ルートでは主人公がプリンセスに選ばれた理由や、TYBの真の目的、殺人鬼の正体などが明らかになります。

恋愛ルートはひたすら主人公と攻略対象がイチャイチャして最後にゴールインというほのぼのルート。なんの波もない。

唯一、歩夢と漫才するシーンで、主人公がキレッキレのボケをかましてくれるところが面白かったくらいです。

この主人公ちゃん、会話ウィンドウの顔表示ではキノコにしか見えませんが、スチルでは可愛いし、素直でとってもいい子。

攻略対象たちがデートで優しくしてくれたり甘い言葉を吐いてくれるのにも、「これは大会だから。でも、楽しいのは本当だから精一杯楽しもう!」とちゃんと心の中でセーブしているのが好感度大。

突っ込み力も高く、思ったことを言ってくれるのもかなりいい!

最近、主人公が好きになれる乙女ゲーが続いていてうれしい限りです。

歩夢に全く興味がないことも手伝って、申し訳ないが恋愛ルートは全く面白くなかったのですが、真相ルートは本当に面白かった!

悠斗による真相の暴露の時なんかは、演出が凝っていて見応えありましたし。

あ、言い忘れてましたが、このゲーム、システム面は超良好です。

立ち絵やスチルも綺麗で、目パチ口パクはもちろん、Vitaminシリーズのように会話中に立ち絵がころころ動いて、演出◎。

選択肢までスキップあり(未読も飛ばしちゃうけど)、回想もほぼ完備。

攻略対象こそ少ないですが、スチルが多く、ボイスつきプチエピソードもたっぷりあって、オマケは充実しまくり。

とっても丁寧に作られていて、わたしはこれだけでもかなりの高評価ができてしまいます。

で、真相ルートですが。

プレジデントは真実の愛を持った人類(全人類中0.001%だか0.0001%だか)だけの世界にしようと企んでいて、そのためにクリーピングⅥというウイルス(真実の愛を持った人以外は全員死ぬ)を開発。

主人公はウイルスの母体として適正があったためプリンセスに選ばれ、ウイルスの種を植え付けられている。

クリーピングⅥは「想い」で育つウイルスで、TYBはウイルスを育てる「真実の愛」を生み出すために開催されていた。

殺人鬼はクリーピングⅥに対抗するために生み出された人型ワクチンのキラーナイチンゲールであり、ウイルス母体である主人公を狙っている。

……というものです。

夢真相ルートでは、巣鴨の再開発が行われていることを知り、その犯人が兄だと発覚。

兄に抗議にいくも、赤字天国の巣鴨はこのままでは二進も三進もいかない、少しの痛みを受け入れて巣鴨そのものを救わなければいけないと論破される。

巣鴨を愛しながらも心を鬼にして再開発を進める兄、美しい理想だけを追い求めようとする歩夢、兄の意見を理解しながらも歩夢の理想は素敵だと言う主人公。この三人の構図が美しすぎた。正直鳥肌が立ちました。

特に主人公の、現実を見ながらも歩夢を否定することなく、でも安易に賛成もしないという、カウンセラーばり振る舞いには惚れ惚れ。16だが17だかなのに、なんという大人の振る舞いをするんだこの娘……! 乙女ゲーはもともとカウンセリング恋愛が多いのですが、その中でもこの瞬間の主人公に勝るものは見たことがない気がしました。わたしが主人公に心底惚れた瞬間でもあります。

この巣鴨再開発での理想と現実という構図を、真相ルートの理想(主人公も世界もみんな助けたい)と現実(ウイルスの母体である主人公をワクチンに殺させることによって世界が救われる)に重ねて話を進めていくのにも感心しました。

キャラクターや話のネタそのものはトンデモなのですが、筋はしっかりしてるし、すごく面白い話でびっくり。

正直、まさかこんなに楽しめるとは思ってもなかったです。

最後はそんなんでいけたんかいという力技的解決ですが、どれだけ夢物語でも理想を追いかけていくという歩夢の決意とシンクロしていてよかったと思います。

それと、TYBはスタンダードで誰も彼もが甘い言葉を囁いてきまくるため、恋愛・真相含め本編ルートをクリアしただけでは歩夢がいつ主人公を好きになったのか、本当に主人公のことが好きなのかがイマイチわかりづらかったのですが、オマケの中のシークレットテイルで攻略対象の裏側を見てからは割とすんなり受け入れられました

歩夢全ルートクリア後に見たのをもったいなく思ったくらい、しっかり歩夢の心情を保管してくれてました。

解放され次第見ていけばルート中ももっと感情移入できたんだろうなと思ったので、今後はそうしようと思います。

シークレットテイルは共通部分のネタ話も面白い!!! デビルハマーが最強すぎるw

緒戦敗退してるくせに主人公の水着を盗撮しに来てるとかどんだけ変態なんだw

ハマーは主人公が好きなんだなと迷いなく思いましたw こいつほんと面白いw

早くハマーをプレイしたくてしょうがない。

最後まで歩夢には全く興味が沸かなかったのですが、話が面白くて、夢中になれました。

たぶんTYBの真実や殺人鬼等のネタはどのルートも同じだと思うのである程度の金太郎っぷりはあるのでしょうが、歩夢の独自ネタとの絡ませ方が上手だったので、今後も楽しめると思います。

TYB面白い!!!