特殊報道部 - お昼寝タイムズ＠ゲーム

とある地方のテレビ局「尾張TV」が制作している『トクホウ』は、不定期に、深夜枠で放送されている超常現象のレポート番組。

未確認飛行物体、宇宙人、超能力、心霊現象など、にわかには信じられない出来事を追跡調査し、その実体をテレビ視聴者へ届けている。

いまのところ『トクホウ』の評判は芳しくない。

ごく一部のマニアックな層からの支持はあるものの、眉唾物として面白がる視聴者が多いというのが現状である。

それでも、そこに新たな真実があるという熱い想いを胸に、番組クルーたちは機材を手に取材へと駆け出していく――

＜システム＞

基本、読むだけ。

分岐もあるけど、「科学」「オカルト」ではっきり分かれていた流行り神シリーズと違って、意味がよくわからない分岐が1か所だけ。

ゲーム要素としては、撮影した動画（のコマ絵）・音声からおかしな点を探すマテリアルチェック、最後にプログラムディレクションがあるけど、致命的に面白くない。

マテリアルチェックはまだよくある要素としても、プログラムディレクションはただのタイミングゲーだし、そこでしか評価が分かれないし。

しかもプログラムディレクションの見た目もちゃっちい……！

巨乳ちゃんがお辞儀するところなんて、もうちょっとなんとかなっただろ……。

話のボリュームもあまりなく、目パチはあるが口パクすらないので、一体このゲームはどこにリソースを使っているのが不明なほど、前時代的。

Vitaなので絵はきれいに見えるけど、それだけ。

流行り神のときにあったTipsもないし、むしろ劣化しているような……。

＜ストーリー・キャラクター＞

超常的な事件を扱う「トクホウ」こと「特殊報道部」のお話。不思議な事件に遭遇→取材→番組作りの流れ。

オカルトめいた現象を扱ってはいるものの、「心霊」は厳密にはトクホウの分野ではないらしい（と言っても、心霊絡みの話もある）ので、コンセプトがよくわからない。

基本は一話完結だけど、全体通しての話もあります。

一応解決というか、物語としての締めみたいなものはあるけど、オカルトなので、はっきりオチがついたりはしないし、カタルシスとかもあんまりないです。

「宇宙人がいた」みたいなオチ。

好みが分かれると思います。

それはそれでいいんだけど、話としてもありきたりだし、期待していた「オカルト雑学」みたいなのもほとんどないし、正直、そんなに面白くなかったです。

最後のオチも「またか……」って感じで。

↓以下、今作に加え「タイムトラベラーズ」「善人シボウデス」のネタバレあり↓

流行りなのかわかんないんだけど、最近多世界もの多すぎやしませんかね？

もう手垢つきすぎてオドロキもなにもないし、面白けりゃそれでもいいんだけど、たいして面白くもないし。

しかもこの3作ってすげー時期が近いんですよね。

特に今作は「他の時間軸の記憶も持っていることがキーになる」ってとこ、善人シボウデスと全く同じ。

同時期に、同じようなネタのゲーム作って、スタッフは一体どうしたいってんだ……。

ADVは多分ファンもゲームそのものも少ない分、同じユーザーが多数のADVをやっていると思うので、ネタ被りのは結構深刻だと思うんですよね。

ホラー的要素の強い4話だけは面白かったかも。

わたしはカタルシスを求めてしまう単純人間なので「流行り神」もそこまで好きではなかったのですが、あっちはまた科学・オカルトの両面から切り込むという要素とか、Tipsによる小ネタもたくさんあって、「トガってた」のでこれよりは面白かったなあ。

キャラクターもみんないいんだけど、いかんせん掘り下げが圧倒的に足りない。

主人公の両親は失踪したことをチラっと口走ってたけど、特に意味なかったし。

ヒロイン楓ちゃんの正体も、最終話にいきなりドワァって設定モリモリになっただけだし。

スーパーマン衛さん超人すぎるし（戦闘力最高レベル、頭脳高レベル、手先器用で何でもできる。最終的に「衛さんが2・3時間でやってくれました」みたいになる）。過去話も導入が明らかになっただけでその後はスルー。大統領の発火ってどうなったの。

同じく、彩先輩の過去も導入部分のみで後スルー。肉塊から復活したからなんだっていうんだ……。

掘り下げが足りないから愛着もイマイチ沸かなくて、キャラゲーとしても物足りないんだよなあ。

なんというか、方向性を見失った流行り神って感じのゲームでした。

正直、スタッフのやる気もあまり感じられない。

オカルトもの結構好きだし、話もツマラナイわけではないんだけど、買わなくてよかったなと心底思いました。フリープレイできたからやったんだけど、フリープレイで本当に良かった。

これ、発売日に定価で予約買いとかしてたら、クソゲー扱いしてたと思いますｗ