前回の乙女ゲー総評、2013なんだけどw
実に約5年ぶりなわけですね。ひええ。
時は江戸。
絢爛豪華な町の裏側で、欲望が渦巻く新吉原。
老舗遊郭「桜華屋」で、最高位の花魁を務める千早。
祖国に暮らす両親の元へ帰るため、朝な夕な、誰とも知らぬ男の伽の相手をする。
普段と変わらない日常。吉原という小さな世界だが、千早にとっては自分を証明できる大切な場所。
楼主の時雨、禿の柚、共に働く心強い遊女たち…かけがえのない存在に囲まれ、苦界と言われども花魁の仕
事に誇りを持っていた。
本当の恋を知るまでは──。
抗えない運命にのまれていく、一人の遊女の激動の物語。
<システム>
システム……☆☆☆☆☆
プロトタイプ移植はほんと素晴らしいですね!
特に素晴らしいのは巻き戻し機能、次/前の選択肢までスキップ機能。しかも、スキップしても未読シーンがあれば自動で止まってくれる。素晴らしい!
また、これはほんとここだけの気がしますが、ロードしてもバックログが出てくる。神機能。
画面の色味の調整など、色々な部分の調節も細かくできます。
安定の快適性でした。
目パチ、口パクはなし。立ち絵もそんなに多くはありません。が、綺麗なことは綺麗です。
名前呼びは、固定の廓名「千早」はありですが、本名はなしです。
本名で呼ばれる機会も多いので、付けててほしかったなぁ……。
グラフィック……☆☆☆☆☆
立ち絵、スチルともにかなり整っていて綺麗だと思います。
色んなポーズがありますが、苦手な場面が少ないなという印象。
正面が上手くても横顔が下手な絵の人とか、色々いるので……w
たまに乱れがあるというか、安定してないなぁというのも中にはありますが。
個人的に、スチルの出来は忍が一番ばらつきがあって、可哀想だった気がしますw
音楽……☆☆☆
普通だったと思います。特に心に残るものはなくw
場面には合っていて自然だったかと。
<ストーリー・キャラクター>
ストーリー……☆☆☆☆
破綻がなく、吉原、花魁とその周囲を取り巻く人々と、上手く描いていたと思います。
吉原ものなので独自の用語や文化も多いのですが、すべてを用語集に頼らず、説明を文章中にうまく収めているところもあるのに感心しました。
舞台が舞台なだけに、話はどちらかというとシリアスで重く、悲恋要素強めですが、骨子がしっかりしているので面白かったです。
主人公は花魁ですが、攻略キャラ以外との絡み描写はほぼないので、そういう面での悲壮感や辛さはあまりなし。
シナリオ分岐は早めで、各自特色ある話運びでした。
バッドエンドが豊富で、しっかり描かれています。
一部、ベストエンドでも完全にハッピーとはいえないものもあるので注意が必要。
元々18禁ゲーで、そういうシーンをカットしているためもあるせいか、ボリュームはちょっと少なめかな?
終わり際の描写が割と丁寧な分、途中がちょっと急ぎ足。もうちょっと日常やら恋愛過程のエピソードが多くてもよかったなあと思います。
あと、章の区切りがやたらと細かかったのもちょっとマイナス。
場面の転換をそれで押し切っている気がして、短く感じるのに拍車をかけていた気がします。
キャラクター……☆☆☆☆
主人公含め、基本的にみんなドがつくほど生真面目なキャラクターたちだと思います。
みんなそれぞれ抱えているものが違うので、飽きることなく楽しめました!
・惣一郎……一途
・時雨……(表)優しいS、(裏)闇
・彰人……ツンデレ
・忍……チャラ真面目
・朔夜……ピュア
・辰吉……実直
という感じです。
攻略制限あり。
彰人・忍・朔夜・時雨(ベスト)・惣一郎(バッド)→辰吉→惣一郎(ベスト)→時雨(真相)
後半は動かせないのでこれしかないと思います。前半は誰からでもいいかな。強いて言うなら、前記3人の中では彰人が一番真相に近いかと思います。
好きなのは 彰人>(越えられない壁)>辰吉>>惣一郎>朔夜>忍>時雨 と言った感じ。
もうとにかく彰人が好きで好きで、今まで参禅と輝く不動のナンバーワンだった華ヤカの勇様に匹敵しました。
辰吉もいい線いったんですが、ちょっと切なすぎるのが……!
惣一郎は本人ルートはいいのですが、他ルートでちょっとマイナスがありw
朔夜、忍は可もなく不可もなく。時雨はちょっと愛するのが難しいキャラでしたw
同胞の喜蝶さん、妹分の柚をはじめ、彰人の子分など、サブキャラがすごくいい味を出していたのが滅茶苦茶よかったです。
特に喜蝶さん、ほんとラブ。この人の存在にどれだけ救われたか……。唯一の希望の星と言っても過言ではないw
全体を通してすごくまとまりがある良ゲーでした。わたしがドはまりしたのは彰人さんだけですが、悲恋方面が好きな人には自信を持ってオススメできます!
ただ、悲恋がダメな人には全くオススメできません。避けたほうがいいですw