剣が君 黒羽実彰感想
システムから音楽からスチルからシナリオから何から何まで全て素晴らしい……。
無茶苦茶安心して楽しめました。
そして初っ端の実彰さんが好きすぎた。
もう実彰さんがいるだけで神ゲーだし安心して欲しい。
以下ネタバレの塊です。
前半は、久姫にそっくりである町娘の香夜が、身代わりとして江戸→駿府への花嫁行列をすることになるお話。
後半が各人個別です。
前半は前半でパリッと終わってて、任務完了後、さらっとみんなと別れるのでびっくりしましたw
終盤で何かトラブルが起こって個別に突入するのかと思っていたw
実彰さんはもう最初から結構好きだったんですが、前半ルートでもモーレツに好きで好きで。
見た目がまず好きだし、有能だし、強いし、タッパあるし、イケメンだし。人を斬りたくなく、剣を捨てたがっているってところは某るろうにを想像してしまいましたが、色々感想を見てたら、大体みんなそれ連想してましたねw
クールな感じのキャラなのですが、すんごい優しくてね……。
香夜は江戸育ちで狼の遠吠えを聞いたことがないので怯えるのですが、怯えるのは仕方ないって言ってくれたり、散歩に一緒に付き合ってくれたり。実彰さんは寄り添い方がとにかく素敵なんですよね!
かっこよくて有能なのに刀の孫六についているハバキ憑きとのやりとりはかわいくて、全方位隙がなさ過ぎでは。というか、ハバキ憑きがかわいいw
個別ルートは、山で妖怪に襲われた主人公が実彰の庵を発見するところからスタート。
ここでの再会は忘れるようにという実彰だが、そこで柳生父が現れる。実彰は実は(共通ルートで薄々察してましたが)かつて一番刀に3回もなり、天下五剣のうちの一振りを授けられている剣聖・大典太。そんな男を当然放っておけるわけもなく、たびたび幕府に仕えるよう説得に来ているらしい。
(ちなみにここでバトルが勃発するのですが、柳生父がぎっくり腰になるの不覚にも笑ってしまいましたww)
当然断り、ここにはもう来るなという実彰。
その後、香夜の通う薙刀道場が卑怯な手で浪人に占拠されてしまいます。
他に取り返す手立てを思いつけず、香夜は実彰に助太刀を頼みに行く事に。
一度は断る実彰ですが、九十九丸の「侍の剣は人を助けるものではないのか」との言葉に思いなおし、浪人を追い払ってくれます。九十九丸のストレートさもめっちゃいいですよね……。
ところがここで、香夜の親友、お松の様子がおかしくなる。
後に明らかになるのですが、かつて間者であった恋人(実彰のターゲットだった)を庇ったお松の姉を、勢い余って斬り殺してしまっていた。実彰はお松の仇だったんですね。
実彰自身も、無垢な人間を殺してしまったことがきっかけで、悩み、迷い、剣を捨てる道を選んでいた。
元々信心深かった(母親が隠れ切支丹で、本人もその教えを受け継いで隠れ切支丹。また、イスパニア人とのハーフでもあったため、幼い頃から迫害を受けていた)せいもあるのでしょうね。
お松ちゃんは敵討ちに来てしまうのですが、それをすんなり受け入れようとする実彰が切なかった……。
あんなに憎んでいたはずなのに殺せないお松ちゃんも、殺して欲しくないし死んで欲しくない香夜も、もうこことにかくみんな切ない……w
>剣ルート
お松ちゃん、2度目の敵討ちへ。
成就こそしなかったものの、お松ちゃんに「生きて人々を救う事で贖罪をして欲しい」と言われ、再び幕府の元で働くようになる実彰。
仕事で再び多くを斬り殺すようになる実彰は、香夜のために、香夜を遠ざけようとします。
実彰に遠ざけられた香夜はショックで逃げ出してしまい、そこで洞窟に入る。
・荒魂エンド+後日談
洞窟の中で行われていたのは、朝倉宣正の、マレビト召喚による忠長復活の儀式。うっかり見つかってしまい、殺されかけるも実彰が登場、香夜を守るために敵を斬り殺していく。
事件後も幕府への仕官を続けることになるので、守るために斬らないといけない、でも斬り続ける己が香夜を近づけるわけにはいかない。
己の所業が香夜を守れているんだと信じて刀を奮い続けるその生真面目さがもうね……切なくて愛しくてね……。
・奇魂エンド+後日談
儀式中に見つかってしまうところまでは同じ。
ここでは七重を人質に取られた鼓(駿府の一番刀、数珠丸を所持)が実彰と敵対。対峙した二人の間に宣正が七重を放り込み、七重が二人の剣に貫かれてしまう。
一命を取り留めるも、常夜への扉が開きそうになる。己に任せて逃げろという実彰。
嫌な予感しかしない……。
お察しの通り、大典太の力を借りて常夜に渡り、向こう側から扉を閉めるのです……。
「例え隣にいるのが自分ではなくても、笑っていて欲しい」ってもう切なすぎてめっちゃ泣いた……。こんなんアカンでしょ!!!
ロザリオだけを残して消えた実彰に、諦めがつかず祈り続けてしまう香夜。
最後にハバキ憑きが出てきて、慰めつつも発破をかけてくれるのにも泣けました。
>君ルート
お松ちゃんが香夜との話し合いの結果、穏便に敵討ちを諦めてくれるルート。
「わたしの気持ちなんかわからない」と言うお松ちゃんに、「わからないからこうして聞いているんだ」って答える香夜ちゃんが好きすぎた……。
ハバキ憑きがジレて実彰を突き飛ばして二人をくっつけるのもよかったー!
剣ルートのあとに君ルートにして良かった。心が安らかでいられる……w
・和魂エンド+後日談
洞窟から無事逃げ出してきた鼓、七重、長七郎を助け、鼓を江戸幕府に仕官させることで実彰は限定的に自由(有事の際だけ助力)にしてもらい、まさかのなんと婿養子入り。
香夜の父親が新しい店を出す事になったので、暖簾わけの形で実彰が料理人として二人で料理茶屋を営む事に!
ここ、これだけのために料理人Verの立ち絵を用意してあるのがすごいなと思いましたw
常連からからかわれたり、実彰さんさらっと(意識せず)惚気たりイチャついてきたり、料理人やってるのに違和感はバリバリながらもその平和さにすんごい癒されましたw
・幸魂エンド+後日談
3人を助けた後、仕官の勧誘から逃れるため、江戸を立つ実彰と主人公。まあ駆け落ちですね。
ここで出発前にお松ちゃんがまた敵討ちに来てめっちゃびっくりしたのですが、実彰さん今度は「生きる理由を見つけた」と抵抗。
抵抗したのを見て、お松ちゃんは「親友の男がいつでも死ねると思っている男では困るから」と薙刀を収め……。なんと、実彰さんの生きる覚悟を確かめにきてくれてたんですね。
お松ちゃん、好きだ……。もうなんなのこの子……たまらんでしょ!
こんなに出来た友達キャラおるか? って感じですよほんとに。ここだけで普通に泣けたw
江戸を旅立った二人は隠れ切支丹だけが住む島で慎ましく暮らしていくことに。
ここも専用立ち絵がある。すごいなほんと!
ヘソチラはなくなりますが、ここの実彰さんの衣装めっちゃ好きでした!
2ルート4エンド、それぞれ特徴があり、どれも素晴らしかったと思います!
剣ルートの方がストーリーとしては美しいと思いました。すごい辛いんですけどねw
お松ちゃんの復讐心の決着のつけ方とか、君ルートはちょっと強引かなーとも思ったので。
実彰の不器用さ真面目さ、そういうのも剣ルートの方がよく現れてたと思います。
特に奇魂エンドはほんと無茶苦茶しんどいけど大好きでした。スチルが綺麗だったのもあるw
しかし、いやーいいゲームですね。
でも、君ルートも剣ルートもお互いがあるからこそ輝くと言うか。
しんどいけど幸せになれる話があるから剣ルートを安心して楽しめるし、強引だけど剣のしんどさを包んでくれるのは君ルートの優しさだけだと思うし。
やっぱりハッピーエンドもあると嬉しいので、ほんとバランスがよかったな~って思います!
初ルートの実彰さんが好きになりすぎて他のキャラが楽しめるか不安になったレベルでしたが、次もガンガンいっちゃいたいと思います!