お昼寝タイムズ@ゲーム

ゲーム感想。RPG、SRPG、ADV、アクション、乙女ゲー、ボブゲが好きです。辛口め注意。

レイジングループ

 

  

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「おおかみ信仰」の残る閉鎖集落で、殺人儀式「黄泉忌みの宴」 (人狼ゲーム) に巻き込まれた主人公。

謎のタイムループ現象を利用し、命と引き換えにKEY (手がかり) を入手、選択肢をアンロックして怪奇事件の真相をあばけ!

ルート分岐により「誰が人狼か」も変化する、予測不能な物語が展開します。

 

※リンクを貼っているのはPS4版(唯一パケ版があるので)ですが、PC版、Switch版、ケータイアプリ版もあるので、お好みの媒体で楽しんでもらえればと思います。

 

 

<システム>

基本的には読んでいくだけの普通のノベルゲーですね。

チャートがあるのでわかりやすく、スキップ等の基本機能も充実していたと思います。

チャートがとにかく優秀で、選択肢も全てチャートから選択できるので、ほとんどセーブすらしませんでした。(オートセーブがあるので)

 

特徴的なシステムとしては、「KEY」と呼ばれるある種の情報

KEYを手に入れないと選べない選択肢/進めない分岐があり、後述の「死に戻り」をしながらKEYを集め、物語を進めていくことになります。

まあ特徴的というかADVではそこそこあるアンロック式なのですが、「死に戻り」設定と無茶苦茶相性がよく、ストーリーとのかみ合い方が非常に気持ちよかったです。

 

わたしは使用していないのですが、作中にあるグロ要素にフィルターをかける機能もあるようです。

 

マイナスポイントは、全編フルボイスなのに、登場人物が棒読みな人が多いということ……。

特に主人公とモッチーがやばかったw

(当たり前ですが)特に主人公は全編に渡って声を聞くことになるので、結構キツかったです。

キャラ的にクールというか、感情を抑えている人物なので、そういう演技なのではって説もあるみたいですが、うーん、そういう感じではないんですよね……w

まあ、聞いてると慣れるんですけどねw

新人声優さんを起用しているということでしたが、新人なのはいいから、せめて棒だけはやめてくれよって思いましたw うまいなと思った人も中にはいたので。

 

 

<シナリオ・キャラクター>

バイク旅行中にリアル人狼ゲーム(黄泉忌みの宴)に巻き込まれてしまった主人公が、何故か手に入れた「死に戻り(死ぬと宴開始前に時間が巻き戻る)」能力を駆使して、宴での生き残りを目指しつつ、宴にまつわる謎解きをしていくループもの×ホラー×サスペンスなストーリー。

 

人狼ゲーム(=汝は人狼なりや?)をご存じない方に軽く説明しますと(ググるとすぐわかりますが……)。

プレイヤーは「村人」と「人狼」に分かれる。「人狼」は「村人」に化けて村に紛れ込んでおり、夜ごと「村人」をひとりずつ食い殺していく。

それを食い止めるため、日中は話し合いをして"正体が人狼だと思われる人物"を投票で決め、ひとりずつ殺してゆく。

人狼」を全て殺す事ができれば「村人」の勝ち、「村人」を「人狼」と同数まで減らせれば(=投票でどうあがいても人狼サイドが勝つことになるので)「人狼」の勝ちという、会話と推理を使ったパーティゲームです。

 

「死に戻り」と「人狼ゲーム攻略」の親和性がすさまじい。

シナリオはとにかく面白いです。

特に中盤の人狼ゲームを攻略していく過程、面白すぎてノンストップでした。

 

主人公は非常に頭がいいのに加えて突飛な推理をしないため、プレイヤーとのシンクロ率が高いのもよかった。中の人の演技はめっちゃ棒なんだけどね……w

「なんでここ気づかないんだ」というイライラもないし、推理ゲーでよくある 主人公「こ、これはもしかして……」わたし「?????」 といった感じの推理の乖離もない。

非常に気持ちよく読める作品だと思います。

キャラクターも特徴的で、一筋縄ではいかない人間ばかり。

プレイを終えたら、すべてのキャラに愛着がわいていました。

 

終盤はやや失速してしまいますが、ループものの中では綺麗にシナリオを畳めているほうだと思います。

いかんせん中盤が神がかりすぎているからこそ、失速と感じてしまうのかもしれないw

 

難点その1、独特のテンションで繰り広げられるギャグパートが面白くないこと。

ただシリアスなシーンにはギャグは挟んでこないので、そこまでストレスはなかったですw

 

難点その2、これは好みかもしれない……終盤及びオマケで明らかになる裏設定の過剰さ

ひとりのキャラが同社の他ゲーに出てくるキャラだったらしく、恐らくそっち関連?の設定がこれでもかってくらい出てくる。

 

↓ここよりネタバレ

そもそもめー子の能力がなくても敵を倒せていたのだから、めー子の強キャラ設定?入れる必要なかったよね……。

力食べる云々いらなかったし、最後にふっと消えちゃう不思議な少女くらいで留めておいてほしかった。

機関(協会?)云々も、謎の機関がある~くらいでよかったのに、色々語りすぎ。解決もしないし踏み込みもしないのに執拗に掘り下げる必要性を全く感じなかった。

特にオマケが独自設定と専門用語のオンパレードで、「こういうのかっこいいでしょ?」みたいな厨二感がすごすぎて正直興ざめw

まあ、オマケだからまだいいんだけどね……。

おおかみ信仰、集落、歴史、事件など、人狼ゲーム関連の話がものすごく上手に出来ていたので、最後らへんの不要な情報の洪水が本当に勿体無いなーって思いました。

↑ネタバレここまで

 

 

まあ難点を差し置いてもシナリオがとにかく面白いので、ADV好きには全力でオススメです。

ルール説明がきちんとあるので人狼を知らなくても楽しめますが、特に人狼経験者は「役割の名乗り出合戦」などの人狼あるあるも楽しめてニヤニヤできるのではないかと思います!