お昼寝タイムズ@ゲーム

ゲーム感想。RPG、SRPG、ADV、アクション、乙女ゲー、ボブゲが好きです。辛口め注意。

幻奏喫茶アンシャンテ 総評

ちょっと個別感想と順番が前後しちゃいますが、ど~~~しても早くプレゼンしたくなってしまったので、先に総評を……!

 

幻奏喫茶アンシャンテ - Switch

幻奏喫茶アンシャンテ - Switch

 

祖父が営んでいた、一軒の喫茶店
そんな彼の突然の訃報、そして遺言により主人公はその喫茶店へ関わることに。
どこか不思議な雰囲気のその場所で、彼女は不思議な男たちとの出会いを果たす。
「どちらさまも何も――異世界からのお客さまだけど?」
朗らかに笑う彼は、自称【魔王】。
その出会いは偶然か、必然か。
人ならざるものたちとの出会いの先に待つ、物語とは――。

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<システム・グラフィック>
システム……☆☆☆
目パチ口パクなしデフォ名呼びあり
基本いつものオトメイトですね。
気になったのが、共通ルートが長いのに選択肢スキップがない&スキップが遅いので周回時の待ち時間が多くなってしまうことと、オートプレイの遅さですかねえ。オートプレイ、最速にしても遅すぎて、次のせりふ再生されるまでにどんだけ待つねんって感じでw
あとはオトメイトのいつものアイキャッチがない。ルート入りするのも正解の選択肢選ぶのもそんなに難しくはないですが。
選択肢をミスってバッドエンドに行っても、ひとまずクリアした人はチャプターごとに好感度を選んでリプレイできるのは親切設計でよかったです。エンディングの回収が楽!
スチルはグッドエンドだけで集めきれるので、バッドエンドを見る見ないはお好みで。
個人的に、エンディングリストが欲しかったなぁと思います。
 
グラフィック……☆☆☆☆☆
キャラデザはユウヤさんですが、この方のイラスト大好きで、立ち絵もスチルも美しくてとってもよかったです!
ただ、手に拘りのある方なのか、デフォの立ち絵が「え、そのポーズ……?」ってのがそこそこあるところがややマイナス……w
主人公の立ち絵なんて、「いやいや、普通に生きててそういう手の掲げ方することある? ないよね?」ってポーズなのが辛かった。しかもずっとこれなんですよね……w
このゲームで特筆すべきはUIの素晴らしさ。

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正直、今までやってきた乙女ゲ―で一番可愛いんじゃないかと思ってます。

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メニューを出したらアンシャンテのロゴの形にその場の背景が透けて表現されるところとか、おまけページがメニューに例えられてるところとか、デザイナーさんのセンスが爆発してる……!

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BGMのページは、BGMごとに缶のイラストが変わるんですよ。可愛いの権化か~!?
メニュー画面かちかち弄ってるだけでもめちゃくちゃ満足度高くて最高でした!
グラフィック面では、背景が暗くなったときのテキストの表示の仕方だけがマイナス。
文字そのものを白抜きにすればいいのに、普通の黒い文字を白く縁取っているので、見づらいことこの上ないw
普段の白いテキスト欄の上に表示されてる分ははっきりしてて見やすいんですけどね。
 
音楽……☆☆☆☆
ゲームにあっていてよかったです! 喫茶店のシーンは実際に流れていそうなおしゃれさがあるのも◎。
特にメインテーマが好き。
 
<ストーリー・キャラクター>
ストーリー……☆☆☆☆☆
地元で社畜をしていた主人公が祖父の死をきっかけにその喫茶店を継ぐことになるのですが、実はそこは人外たちが集う喫茶店で……といった感じのお話。
共通長め、個別短めのタイプ。まあ短めといっても、共通よりは短いと言うだけなので、そこそこあります。
異世界・人外・喫茶店というコンセプト通り、シナリオの主軸はここから一切ブレません。
ただ、公式サイトやPVから得られるような、ふんわり優しくて可愛いだけのシナリオではありませんどのルートもめちゃくちゃどシリアスです。あと思ってたより遙かにきちんとファンタジーしてました。
CEROこそCですが、オトメイト史上三本指に入るんじゃないかと思うくらい主人公がエグい目に遭うルートもあります。
それこそ戦闘前提の薄桜鬼やら遙かシリーズやらなんかよりもよっぽど物理的に痛いw
各キャラが背負っている問題もみんな滅茶苦茶重くて、えっこれひょっとしてバッドエンドルート入ってる? このまま進むの?? 大丈夫??? って途中で心配になる場面も何度もあります。
でもその分感動もひとしおで……! どのルートもとってもいいので、ぜひやってみてほしいです。
話が面白いのに加えて、シナリオに目につくアラや破綻がないのも素晴らしいと思いました。乙女ゲ―だと結構当たり前のようにあるんですよね……w
アラってやっぱり、現実に引き戻されてしまうので……。それがないっていうのは、地味だけど没入感を増すのにすごく役立ってて、とっても重要だと思ってます!
 
キャラクター……☆☆☆☆
主人公の琴音は頑張り屋さんで強メンタルの持ち主。成人していて、元社畜……社会人として働いていた経験もあるためか、言動も思考も現実的でしっかりしているのが滅茶苦茶好感が持てます。敬語もちゃんと使える。
 
キャラは割とイロモノ揃いですねw
・ミシェル…ゆるくて優しいチート魔王
・イル…乙女ゲ―大好き天然天使
・カヌス…堅物騎士(顔がない)
・イグニス…ツンデレ魔獣
・凛堂…ダンディおじさん
好きキャラは イグニス>>カヌス>ミシェル=イル=凛堂 ですね。イグニスが好みにぶっ刺さり、最高すぎた……。
ルートはどのルートもよかったかなあと思います! 好みなのはやっぱりイグニスかなあ……。イグニス>ミシェル=イル=カヌス>凛堂 ですかねえ。凛堂ルートは、単純にオチの好みの問題ですねw
ミシェルはメインだけあって、個別シナリオも長めで力が入ってました。
 
オススメ攻略順は カヌスorイグニス→イルor凛堂→ミシェル なのですが、カヌスが最初がいいかなと思います。
イグニスはなんというか……最初だと、ちょっとパンチがききすぎるかなという感じw
ミシェルは攻略制限がかかっているので、最後で固定。
糖度は低めだと思います。
相手の問題に深く切り込んでいくうちに、自然と……って感じで。
 
サブキャラもたくさん出てきますが、ルートごとにスポットが当たってその裏側や内面を深く知ることができるのがよかったです。
一見イロモノにしか見えなくても、実際はいろんなものを背負ってたりするんですよね……。
 
ていうかほんとにこのゲーム!!! もったいない!!!
話がめちゃくちゃシリアスで面白いんですが事前情報からは一切それが伝わってこないし、逆にほのぼの~っとした話をやりたくてプレイするとかなりの肩すかしを食らってしまうという……。
いや確かに序盤はほのぼのだし、どういうプロモーションをするのが正解だったのかは、難しい問題なのかもしれませんが……。
あと本当におしゃれで可愛い。センスはズバ抜けていいゲームだと思います。