お昼寝タイムズ@ゲーム

ゲーム感想。RPG、SRPG、ADV、アクション、乙女ゲー、ボブゲが好きです。辛口め注意。

The Last of Us Remastered 総評/感想

 

生きるために愛を捨てた男と愛を知らない少女の旅が今、始まる。
世界的大ヒットシリーズ「アンチャーテッド」を生み出したノーティドッグが、新境地を切り拓く。
彼らの次なるチャレンジは、荒廃した大陸を生き抜くサバイバルアクション。
謎の寄生菌により崩壊寸前のアメリカ合衆国を舞台に、死と隣り合わせの過酷な旅路を描き出す。
その卓越したグラフィッククオリティで活写するのは、寄生菌に冒された“インフェクテッド(感染者)”の恐怖、そして登場人物たちの心のドラマ。
脅威を乗り越えた先に待つものとは――。
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<システム・グラフィック>

サバイバルアクションADVとでも言えばいいんでしょうか。
探索して物資や進むべき道を見つけつつ、敵が現れたら隠れてやり過ごすか倒すかどちらかの方法で対処し、シナリオを進めていくというもの。
スキルポイントの割り振りや武器・身体能力の強化等、RPGのような成長要素もあります。
主人公のジョエルか、同行者が敵にやられるとゲームオーバー。
出てくる敵は、大きく分けると寄生菌に感染してしまった感染者と敵対組織の人間の二種類。
ざっくり言うとバイオハザードっぽい感じですが、バイオと違って戦闘がメインではないので、要所にボスがいたりすることはないです。
敵や味方の動きがプレイヤーの行動や状況に合わせて変化するのがリアル。例えば銃を撃っていたとして、リロードしはじめたら一気に距離を詰めてきたりw
対多数と戦う場面も多く、ステルスキルとアクションの両刀使いで進めないと厳しいのでそこそこ死にますが、オートセーブが細かくされていてほぼ直前からリトライできるので死んでもそんなにストレスがないのが◎。
聞き耳というシステムがあるんですが、これが面白くて。耳を澄ますと、壁の向こうの敵の動きが可視化されるっていうものなんですけど。めっちゃ便利ではあるんですが、動いていない敵は聞き耳では見えないので、これに頼りっきりで行動してると待ち伏せしている奴に影から襲われてあっさりお陀仏になったりしますw
敵を全部倒す必要がない場面も割とあるので、特に序盤の操作に慣れていない時、わたしは被弾しつつ無理やり走って突っ切るという荒業で乗り切ったりしましたw
まあこれはあんまりよくない例だと思うのですが、要するに人によっていろんなプレイングが可能ということで。
難易度を上げるとまた話が変わってくるらしいのですが、中級(ノーマル)だときちんと探索していれば物資に困ることもなかったので、程よい歯ごたえだったかと思います。

 

5年以上前のゲームなのですが、グラフィックはリアルで圧倒的です。特にキャラクターの表情の作りこみが凄かった。わたしがやったのはリマスターですが、そうじゃなくても、当時で考えれば物凄いハイレベルだったんじゃないかなあ。今見ても全然見劣りしないです!
UIはびっくりするくらいシンプルですが(特にメニュー)、不便は感じなかったです。
洋ゲーのUIって大体同じような感じなので洋ゲー慣れしてると馴染みやすい一方、逆に洋ゲー慣れしてないと見づらいってことが多い気がするんですが、本作はあまり洋ゲー慣れしてないわたしでも見やすかったです。
操作性も同様ですね。ただあくまでやっぱり洋ゲーなので、好みもあるのではないかなあと思います。わたしはどうしても洋ゲー洋ゲーっぽさがいつまでたっても好きになれないw どういうとこ? って言われると、言葉にしづらいんですけど。

 

<ストーリー・キャラクター>

噛まれると発症し、ゾンビのようになってしまうという謎の寄生菌のパンデミックによって崩壊した世界が舞台。
パンデミック時に娘をなくし、崩壊後の世界で運び屋を営む中年男のジョエルが主人公。
ジョエルはとある事情から寄生菌に対して抗体を持つらしい少女・エリーを送り届けることになり……というお話。
一切の分岐がない一本道のゲームで、ロードムービーをそのままゲームにしましたといった感じ。
分岐も選択の余地もないのが面白くないかといわれると一切そんなことはなく、ひたすら完成度の高いシナリオに没頭できます。
パンデミックで人口が激減している世界なのに、いやそういう世界だからこそ人の命の価値が低く、感染していない人間たちが己のためにバンバン殺し合ってるし、主要キャラもバンバン死んでいくのが特徴的。こちらの思惑や努力と関係なく誰もかれもが死んでいくので、遣る瀬無い気持ちになることも多いです。
それは最後まで変わることはない。諸手を挙げてハッピーエンドにはならないし、この結末が嫌な人もいるかもしれない。でもこれはこういう話でしかないし、だからこそ心に残るんだとも思います。

 

メインキャラクターはかつて娘を亡くし「生きるために愛を捨てた男」ジョエルと、パンデミック後に生まれた「愛を知らない少女」エリー。最初はお互いに信頼もくそもなく単なる同行者という感じなんですが、長い時をかけて旅路を共にして困難を乗り越えることで少しずつ絆を育んでいくのがすごくよかったです。
最初はクソ生意気で偉そうなエリーにめっちゃイライラしていたんですが、それがいつの間にか……なんて言えばいいんだろうなあ。ネタバレに触れずに己の感情の推移を語るのが難しいw
メインの二人もそうだし、サブキャラ達も、好きとか嫌いとか一概に言い難いキャラクターですw
そもそもラスアスの世界、荒廃してからかなりの年月が経っているせいか未来に希望がなさすぎるせいか、登場人物全員利己的だしどっか狂ってるんですよね。なのでまあ、こいつはいいやつだから好きだ! みたいな気持ちはあんまり起こらないw
主人公たちもそれは同様で、別に正義の味方ってわけじゃないので……。

 

ゲームという媒体である以上、プレイヤーはジョエルやエリーを動かしこそしますが、あくまで最初から最後まで傍観者に過ぎない
良くも悪くもプレイするロードムービーなのですが、とにかくシナリオがいいので、めっちゃオススメです!
今ならベストプライス版が出てて安いし、続編ももうじき出るのでね! 続編すっごく楽しみにしてます!