幻影異聞録♯FE Encore 総評/感想
舞台は現代の東京。
芸能が栄え、表現力の結晶「パフォーマ」が溢れるこの街に、異世界からの侵略者「ミラージュ」の魔の手が迫ります。
強力なパフォーマを持つ蒼井樹とその仲間は、レッスンなどを通し芸能界で輝くという夢を追いかけながら、記憶を失い現代に迷い込んだ「クロム」「シーダ」「カイン」といった「ファイアーエムブレム」の英雄たちの力を借りて、ミラージュの脅威に立ち向かいます。
＜システム・グラフィック＞
基本的にはオーソドックスなRPGです。
FEとアトラスのコラボということなんですが、別段FEらしさもアトラスらしさも感じられなくて逆にびっくりしましたｗ
FE要素はキャラでちょびっと、アトラスらしさはスキルとアイテムの名前くらい？
しかし戦闘は本当に面白かった！
スキルで属性の弱点を突くとセッションと呼ばれる追撃が発生するので、なるべく多くセッションが発生するようにするのが大きなダメージソース。
このセッションがとにかく気持ちいいんですよ！
スキルが増えてセッションが長く続くようになるのがまず楽しいし、中盤に覚えるデュオアーツがまた、いい！ デュオアーツって、セッションが4つ以上続くとランダムで発生する特別なスキルなんですけど。
ボス戦でHPがゴリゴリに減ってるところに回復付きのデュオアーツが発生したり、ボスが取り巻きを召喚した直後に全体状態異常のデュオアーツが発生したり、ヤバくなった時たま～にバシッと展開にハマって形勢逆転できるのが本当に爽快。
あ、そういえば、難易度は高いです！ｗ ここはアトラス+FEらしさがありますねｗ
普通の雑魚はそうでもないのですが、ボスがとにかく強い！
きちんと対策して、敵弱体・味方強化のスキルを使っていかないと、あっという間にやられます。前述のセッションは敵にも発生するので、普通に一撃で死ぬことも多々ある。
あと普通にダンジョンに現れるワイルドエネミーという強い敵も本当に強いです。
ちなみに死んだら無情にも即タイトル画面に戻されます。容赦ないですｗ
戦闘だけでなく、ダンジョンギミックもかなり複雑で難しい。
やり応えは抜群で、初回攻略はとにかく面白い！ ……のですが、ここはちょっと不便な点でもあります。
スイッチで進路を切り替える方式のギミックが大半なので、一度解いても、サブクエや宝探し等で再度そのダンジョンに行くことになった際、目的地に到達するためにはまたギミックを解きなおさなければならない。
もちろん随所にワープポイントはあるのですがそんなに数は多くないですし、とにかく構造が複雑なのでこれが非常にややこしい。
わたしは結構粘着質にダンジョン攻略するタイプで、本来なら宝も取りつくしたいしマップも隅々まで歩いてかっちり埋め尽くしたい。にもかかわらず、(本作は終盤になると行けるようになるスポットとかも結構あるのですが)解きなおしが面倒で、いくつか諦めてしまいました。そのくらいややこしいですｗ
ただ、初回の攻略は非常に楽しかったのは間違いありません。
あとは、UIやシステム面で地味にストレスになる部分が結構あります。
例えばADVパートでセリフが1ボタンで送れない(2回押す必要がある)だとか、キャラの足が遅いだとか、一番頻繁に行く必要のあるところ(武器強化などを行うブルームパレス)に直接ワープできない+そこからワープで出られないだとか……。
ひとつひとつはたいしたことないのですが、積み重なるとちょっとなーって感じ。
グラフィックはまあ、ポリゴンは普通かな？
女性キャラと比べて男性キャラのポリゴン(の顔)がちょっとアレかな～とは思いましたがｗ
あと衣装も格差がひどいｗ
ていうか主人公の衣装が少なすぎて目玉飛び出る。主人公だけ通常フォームと制服と私服以外だと、コラボ衣装しかないのはちょっとどうかと思いましたｗ ヒロインとか10着くらいあるのに……ｗ
ただ挿入されるアニメーションは信じられないくらい綺麗です。
ライブシーンとか、歌のPVなんかは見惚れます。一切崩れないし、凝ってるし、最高の出来だと思います。特にゲーム内に挿入されてるアニメと考えるとここまで綺麗なのは見たことないです。見応え抜群！
ゲーム内に登場する歌も、耳に残るいいのが多かったです！
＜シナリオ・キャラクター＞
パフォーマと呼ばれる人間の表現力を奪おうとするミラージュという異世界からの侵略者が現れ始めた世界。ミラージュの中には主人公たちの芸能の力を認めて協力してくれるものもおり、そのミラージュの力を借りた主人公たちがミラージュマスターとなり、敵性ミラージュたちに対抗していくというお話。
お話の基盤は世界を守るために戦うというTHE王道な話なので、悪くはないのですが……なんていうか……テンションがちょっとキツかったですｗ
想定されている年齢層が若めなんでしょうか。全体的にわざとらしいというか、キャラクターの特徴づけもやりすぎ感が漂っていて、残念ながらわたしは最後まで馴染めませんでした。特にバリィさんとかｗ
元々タレント活動に下積みのある他のキャラたちはまだしも、ド素人だったはずのヒロインがお情け程度の特訓と主人公の言葉で一瞬にして歌も踊りもグラビアも演技もすべてが界隈のプロに認められて即座にトップスターになり、もともと一流芸能人だった人たちと肩を並べるようになるみたいな展開も、あまりにもご都合主義が過ぎてちょっとしんどかった。
主人公は良くも悪くも個性がないので、馴染みやすいです。ただやたらモテるうえにめっちゃ持ち上げられますｗ
このゲームをはじめる前は「なんで芸能？」って思ってたんですが、それに関しては「芸能、踊りや演劇というものはそもそもが神降ろしの意味合いがあった」みたいな理由付けがなされていて、それはすっごい「なるほどー！」って思ったんですよ。
なので、素材が悪いわけじゃないとは思います。料理の仕方がちょっとな……という感じ。
残念ですがわたしには合わなかったなー！
ただ終始重さがなく明るいのは確かなので、気楽にプレイはできるかと！
基本的な構成と、とにかく戦闘はよかったので、もっとブラッシュアップされて、重たい雰囲気の続編(キャラは一新してほしい……！)出てくれたらすっごい嬉しいのにな～とは思いますｗ
