お昼寝タイムズ@ゲーム

ゲーム感想。RPG、SRPG、ADV、アクション、乙女ゲー、ボブゲが好きです。辛口め注意。

even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女(テンペスト魔女) 総評

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侯爵家に生まれついたアナスタシアは、継母から虐げられ、身体と心を痛めつけられる毎日を送っていた。
もがき苦しんだ末に、ようやくつかんだ幸福も、信じた人の裏切りによって全てを失ってしまう。
生きながら焼かれる中、アナスタシアは『死に戻り』という異形の力を手に入れる。

「次こそは必ず、己が望む『己』になる」

誓いを胸に、新たな人生を歩み始めたアナスタシア。
しかしそれは、さらなる悲劇の始まりに過ぎなかった。
終末を謳う『魔女裁判―カーニバル―』が、今幕を開ける。



 

<システム・グラフィック>

システム……☆☆☆
目パチ口パクなし、デフォ名呼びあり
スキップも遅めで、イベント回想もスチルあるところだけ、エンディングリストもなしと、システム面に関してはあまり充実してるとは言えないですね。
選択できるチャートがあるのですが、このチャート、好感度が恐らくMAXで固定されており、エンディング回収の役に立たないので、存在意義がほとんどない

 

推理パート魔女裁判は最初はそこそこ面白かったんですが、いわゆる推理ゲーのようにガチンコ感はないので、システムとしてはまあオマケ程度。またスチルがあるバッドエンド回収の時も飛ばせないのがかなり面倒でした。

 

あととにかく誤字脱字が多い。字幕と台詞が合ってないところも割とありました。
フルプライス取ってんだから、ここもうちょっと頑張ろうぜ~と思ってしまった……w

 

グラフィック……☆☆☆☆
イラストレーターはのりたさんという方で、恐らくスチルの原画もそうなのかな……?
スチルはかなり安定して綺麗だったと思います!
立ち絵も絵の雰囲気・バランス・キャラデザ等◎。
ただ立ち絵パートは背景の重厚さに比べると、やや塗りの軽さが目に付くかなあという感じでしたね。

 

音楽……☆☆☆☆
めちゃくちゃ感動するというほどでもないですが、普通に良かったと思います。
主題歌を歌ってらっしゃる平田志穂子さんはペルソナ等の一般ゲーでお馴染みの方で、好きな方だったので嬉しかったですね!

 

<ストーリー・キャラクター>

ストーリー……☆☆☆☆
主人公・アナスタシアは継母によって8年間監禁・虐待を受けて暮らしていたところ、ある日かつての幼馴染み・第三王子ルーシェンの訪れによって状況が一変。第一王子コンラッドの許嫁として登城することになる。
しかしそこでも信じた人の裏切りにより、失意のまま死に、そこで「死に戻り」の能力に目覚める。
そうして「死に戻った」アナスタシアは新たな人生を歩み出すのだが……というお話。

 

ある種乙女ゲーらしい荒さというか、突っ込みどころがないわけではないですが、「死に戻り」「魔女」「魔女裁判」などの要素が綺麗に絡み合い、非常に纏まりのあるシナリオだったと思います。
システムのところで魔女裁判はオマケ程度と言いましたが、システムとしてはオマケ程度であっても、魔女裁判のところ、話はかなり面白かったです!
えぐい結論もあったり、きつい状況になったり……結構ヘビーな展開になることもしばしば。
個人的には中盤あたりが一番キツくて、でもそのキツさが面白かったです。

 

ただ途中の展開の劇的さと比べると、最後は割とあっさり終わります。
個人的にはここんとこちょっと物足りないな~と思いましたが、あっさりしている分普通にハピエンではあるので、案配としてはちょうどいいのかも?

 

製作会社曰く、括り的には乙女ゲーじゃなく単なるアドベンチャーゲームらしいですが、攻略キャラとは普通に全員恋愛できる、普通の乙女ゲーです。
強いて言うならシナリオ展開的に恋愛要素は薄め、というくらい。
ほぼ一本道で、攻略順はほぼ固定されています。
あと(弱ネタバレなので反転しております)「死に戻り」という能力の都合上、主人公のアナスタシアも全員との恋愛を覚えているまま話が進んでいくので、(浮気ってわけでもないですが)そういうのが苦手な人はもしかしたらいるかもしれないですね。

 

キャラクター……☆☆☆☆
主人公のアナスタシア文字通り猪突猛進。辛い目に遭い、傷付いてぼろぼろになることもありますが精神的にも肉体的にも強く、言動もとにかく真っ直ぐでめっちゃ人たらしで、個人的に大好きなヒロインでした!
ていうかあの生い立ちでよくこんないい子に育ったよな。メンタルが強すぎるぜ。
やっぱ主人公が好きになれるとポイントでかいわ……。

 

また、それを支えてくれる攻略対象たちも魅力的。
ルーシェン…一途溺愛系幼馴染み
クライオス…スパダリ
ティレル…毒舌ツンデレ世話焼き兄ちゃん
ゼン…過保護系クールわんこ
って感じですかね!
好きキャラはみんな僅差で難しいけど クライオス>ティレル=ゼン>ルーシェン
ルートは ゼン>クライオス=ティレル>ルーシェン かな……。
ルーシェンは持ってる要素としては美味しいんですけど、ちょっとシナリオ展開的に割食ってたかな~って印象ですね。
クライオスはルートの〆がほんと卑怯でこんなん好きになるしかない~~~って感じでトップに躍り出ました。まじでこんなん好きになるしかないから
でも僅差で、みんな好きです!
攻略順は クライオスorティレル→ゼン→ルーシェン で固定。
にしてもこのゲーム、構成上しょうがない気もするんですが、終盤も終盤というかエピローグの最後で出てくる攻略対象たちの萌え要素みたいなところもあったりして、こういうのもっと見せてくれよぉ! って思いましたw

 

あとは攻略対象じゃないし男でもないですがメイドのマヤが好きすぎました。
もうマヤとふたりで幸せに暮らすエンドがあってもいいんじゃないかレベル。マヤ、まじで好き……マヤのおかげでこのゲーム乗り切れたと言っても過言ではない。ありがとうマヤ……!!!


フルプライスのDLオンリーというかなり癖の強い売り方をしてきたゲームですが、個人的にはかなり楽しめました!
ツイッターでパブサした限り評判も結構いいっぽいし、声優さんとかも豪華だし。
せっかくフルプライスなんだから普通にパッケージも売った方がよかったんじゃないかなあと思うんですが、どうなんだろう。
乙女ゲー界にはまだDL販売がそこまで根付いてないって言うか、みんなパッケージが好きな気がするんですよね。実際、パケがないから様子見するって人も多かったような。

 

萌え転がったりめちゃくちゃドハマリしたわけでもないんだけど一気にやれたし、こうして久しぶりに感想を書く気にもなれて……なんだろうな、口に合ったのかな? って思います!
個人的には買って良かったな~って思いました!!! おすすめです!!!