お昼寝タイムズ@ゲーム

ゲーム感想。RPG、SRPG、ADV、アクション、乙女ゲー、ボブゲが好きです。辛口め注意。

贄の町 朽葉成臣 感想

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可愛いふりしてあの子、割とやるもんだねと♪
以下、ネタバレあり感想です!
 
 
割とやるもんだねどころか。
可愛い顔してとんだクレイジーサイコ野郎だったよ。間違いなく本作でぶっちぎりのヤバい奴。
日天くんは例のごとくさらっと受け止めてはいるものの、序盤に「人をぶった切ってみたくてこの世界に残った」って言ってる時点でプレイヤー的には「こいつもしかしなくてもヤバいのでは?」という香りをぷんぷん感じ取ってしまったんですが、最後までプレイしたら絶句。まさかこれほどまでとは……。
贄、ほかキャラも割とクレイジーポイントはあるのですが、なんというか「環境のせいで歪んでしまった」って感じなのに対して、成臣だけは「根っから歪んでました」って感じ。
薄々そうかなあと思ってはいたんですが成臣の正体は沙汰の死の原因になった飛び出した子供。日天のことは事故後にチューブに繋がれていた時期から知っていて、そのころに一目惚れをしていたと(←これもすげえサイコみがある……)。で、それを日天にずっと隠していたと。
しかもそれが「真実を知られて日天に嫌われたくない……」とかいう可愛い理由ではなく、「日天全部忘れてるの!? ラッキー! ならまっさらな状態から落とせるぜ!」的な無茶苦茶アグレッシブな理由なわけなんですよ。
もう完全にこの世界で日天と結ばれて(成臣的)ハッピーエンドにするつもり満々。
実際やってることもわざと危険な目に遭わせて帰るための調査をやめさせようという、なかなかのクズ具合。
過去を理由に燈に脅されていて、脅してる燈は間違いなくクソ野郎ではあるんだけど、脅されてる理由そのものは完全に己の欲望のためってのもねえ……w
燈に抱かれることそのものへの嫌悪感はなかったんじゃないかなと思うし。それを日天に見られて嫌われるのが嫌なだけで。
同様に、沙汰を死なせてしまった事への罪悪感や申し訳なさも持ってなかったんじゃないかなぁ、と思ってます。
最後、真実を知ってしまった日天に逆ギレして思いの丈をぶつけるところなんてもう正直ドン引きでしかないんですけど、あまりにも勢いが凄すぎて逆に圧倒されてしまうという……。突き抜けててサイコーでした。まあ実社会にいたら絶対かかわりたくないタイプだけどな。
日天も日天で海のような心の広さとともに他ルートの追随を許さないくらいずっとヤってて体もがっつり掴まれており、成臣がいないともう生きていけない……って感じになってて、結局のところ成臣の掌の上なのが怖かったですねw
 
エロシーンも多いうえに過激。性欲なんてありませんみたいな何食わぬ顔をして朝処理してくるのにはじまり、「忘れさせてあげますよ」からの前立腺マッサージ、朝起きたらそのまま処女を奪い、ハミ腸状態で有無を言わさずセカンドを奪い、挙句の果てには二日ずっと……ってお前は本当に人間なのか!? 絶倫にも程があるのでは。オメガバースのアルファかよ!? 日天くん死ぬんじゃないかって素で不安になりました。絶倫なうえに成臣もでかいしな。お前もかよ。
贄、まさか主要キャラ全員ヤリチ〇なうえに3/4巨根なのにびっくりしちゃいました。ここまでくると、唯一でかいって言われてない笑男さんがちょっと可哀想になってくる。なんで笑男も巨根にしてやらんかったんや!
エロといえば、日天に対してはこんなガン攻めスタイルのくせに、サブキャラの燈から日天の前で犯されるイベントがあるという(めっちゃ喘ぐし)。しかもスチル付き。まあBADではあるんですけど。ただスチルこそないとはいえ正規ルート中でも掘られてるシーンがあるので、苦手な人はきつそうですね。
成臣はルート中でちょいちょい「こいつ何やってたんだろう」って空白の時間があるんですが、その時間は燈にやられてたんだな~ってじんわりわかるのが話の構成うまいなあって感心しちゃいました。
END3は成臣を受け入れなかった日天を殺し、食べながら死姦しているエンド。まあこいつならそのくらいするよなという感じですね。
END1はまさかのシロクロエンド。成臣ルートに入れちゃうんだ!? 神に囚われるっていうのものすごく燃え滾るシチュでよかったです。思えばあの顔性格体でモテないわけがなさそうな日天が清い体なのって、7年前既に神のお手付きになってたせいってこともあるのかもしれないですね。宿の前にある坂も黄泉平坂を意識してるんだろうし。
 
で、帰還エンド
成臣の真実を受け止めて共に現世に帰還した二人、成臣は贄世界の記憶を喪失してもそもそも日天のことが好きなので、問題は少ない。経緯だけノートにしたためてそれを成臣に見せ、それを受け入れた成臣と結ばれてハッピーエンド。……と見せかけて、成臣の腹の中は「贄世界の真偽なんてどうでもいいけど日天さんが手に入った、ラッキー!」なのがwwwww 成臣ほんとうにお前ってやつはwww
ここ、もう完全に完敗だ……って感じでした。お前にはかなわねえよ、幸せになってくれ……。
滞在エンドでももう真実は明らかになってるので襲ってくる燈のことを容赦なくボコボコにしてるのがウケました。
にしても、顔も頭もよくて運動神経抜群なうえに裕福でなにひとつ懸念事項がない将来有望すぎる成臣と既に心身ともに捕らわれてる日天が結ばれるって、普通に監禁される未来しか見えないんですが大丈夫かな……。
成臣が就職したら絶対「日天さんは働かなくていい」って言うし絶対友達とか作らせないでしょ。
アタシそういうの詳しいんだからね。
 
あと関係ないですけど、本作って各キャラトラウマというか、己が嫌悪している、「絶対にそうなりたくない自分」になってしまう可能性を秘めている、ってのが闇が深いなあって思いました。
笑男は都々之江と同じくある種制御不能な暴力性を秘めてて、あすくは親と同じく医者としての自分に価値を見いだして日天を管理下に置こうとし、ココも親と同じく相手の一部を奪う。成臣は秘めるまでもなくサイコ野郎だし(燈にとってのショタが成臣にとっては日天なのかなと)。それがそれぞれ好感度バッドエンドとして出てくるのがうまいよなぁ……って思いました。いや成臣だけは正規エンドもそうだけどな。