死神と少女 総評
死神と少女 (2011/07/28) Sony PSP 商品詳細を見る |
絵本作家の兄と暮らす美しい少女の前に、記憶をなくした死神が現れる。
「死神と少女」の幻想物語。
トータル評価で久々に星五つつけましたね。コルダ2、華ヤカ以来かな?
ちょっと甘い評価かなとも思うのですが、純粋に好みだったので。あと、システム面の神がかった快適さも含めて、総合的に考えると星五つもやぶさかではないかなと。
まぁ、だからといって万人にはお勧めできないですね。ほんと、好みがわかれそうです。
<システム>
神。詳しくはカエル畑の総評で。
ほんと、TAKUYOはすげーよ。この会社の神システムに慣れちゃうと、他ゲーの不親切さにいらいらしちゃう。
TAKUYOが飛びぬけてすごいんだってことを忘れないようにしないとねぇ。
カエル畑のときより進化してるのは、
・スチル差分も同枠になった
・台詞途中でも一度のボタンプッシュで台詞が送れるようになった
・デフォ名呼びある
ってことかな。まぁ、カエル畑FDで既に進化してたんだけどね。
ただ、このゲームの売り(?)の「言の葉システム」はイマイチだったかな。
あんまり必要性を感じないというか……。言葉辞典も別に面白くないしね。
絵は幻想的な感じで、美しかったです。あんまり少女っぽいきらきらしい感じ(オトメイトみたいな艶やかな美しさ)ではないので、好みかな。
BGMも秀逸。邪魔にならずに場面を盛り上げるという、最高の役目を果たしてくれました。
あと、演出がいちいち凝ってる。幻想が見えるところとか、千代が消えるところとかの演出が綺麗でした。
OP画面の演出も、地味にびびる。てか、感動する。
随所からスタッフの本気を感じる、素晴らしいシステム群でした。満点。
<ストーリー・キャラクター>
絵本作家の兄と暮らす美しい少女(主人公)が、記憶喪失の奇妙な異人に出会う。
彼は自分が「死神」であることしか覚えていない。
主人公と死神(=蒼)は、兄の書いた絵本「死神と少女」のとおり、「美しい言葉」を探すために行動を共にするようになる……という話ですかね。
シリアスで、重め。カエル畑みたいなアップテンポなテンションはないです。終始かなり暗い。
基本属性=病んでる これに尽きます。
主人公、をはじめ、攻略対象からサブキャラから、とにかく病みまくり。みんなどっかおかしいです。おかしいのに日常生活を繰り広げてるから、いつもどこかドロドロしてる。
まともなのは、はじめからまともに見える桐島だけです。これほんと。……考えようによっちゃ彼も病んでるのか?
そんな病的な彼らを愛せるか、どこかが狂ってるこの話を受け入れられるかが、最大のポイント。
主人公もかなり強烈な個性もちなので、人によると、主人公がまず地雷って人もいそうだな。
そして何より、乙女ゲーっぽさがない。萌えがない。
「そんな薄っぺらいもの、興味ねーわ!」と言わんばかりの投げっぷりです。もう、ほぼただの幻想物語。
トキメキを求めてこのゲームをプレイすると、完全に失敗します。
小説を読む……みたいな気持ちで望むのが○。
あと、このゲームは、大前提としてひとつの物語なんですね。
攻略対象の個別ルートへは、章の途中で分岐する。
ちなみに公式推薦順(時系列順)は日生→桐島→兄→蒼です。
わたし個人としては、最初の日生→桐島はこのままをおすすめで、兄と蒼は好みで前後してもいいんじゃないかと思ってます。兄ルートで蒼のネタバレがあって、蒼ルートで兄のネタバレがあるんですが、どちらもメイン級の話なので。
(面白さは別として)本編的なのは兄と蒼かなと思います。
日生と桐島は……別に完結していないというわけじゃないんですが、これはこれで美しい終わりを迎えるんですが、どこかアナザーエンドっぽい。
ほんと、何書いてもネタバレになりそうなので、たいしたこと書けませんねぇ。
本で言うと、恩田陸とか、そこらへんが好きなタイプはきっと好きなんじゃないかなと思います。
しかしシナリオとしての完成度はかなり高い方かと思いますので、公式サイト見てわくわくできた人は買って損ないんじゃないかな。
良くも悪くも、公式サイトのイメージで間違いないです。
星五つなのにあんまり褒めてない気がする笑
まぁともかく、わたしにとってはかなり印象的で、思い出深い作品になりました。
・キャラクター別感想
→日生光
→遠野十夜
→蒼
→あとがき
好き:十夜=蒼=日生=七葵=千代 みんなそれぞれ好き!