お昼寝タイムズ@ゲーム

ゲーム感想。RPG、SRPG、ADV、アクション、乙女ゲー、ボブゲが好きです。辛口め注意。

月影の鎖 -錯乱パラノイア- 総評

 

月影の鎖 -錯乱パラノイア- 月影の鎖 -錯乱パラノイア-
(2013/04/18)
Sony PSP

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本土から遠く離れた小さな島にある唯一の街『紅霞市 (こうかし) 』。
観光産業が主だった資源であるこの街は今、財政破綻の危機にまで陥り、それが住民に暗い影を落としていた。
しかし彼等には一筋の希望があった。
島の治安と未来を想う若者達の集団『紅霞青年団 (こうかせいねんだん) 』。
特に、その団長である『神楽坂響』、彼の右腕の『望月理也』は、住民達の期待を一身に受けていた。
他にも本土から派遣され、災害復興と治安維持にあたっている軍人『猪口渉』。
旅行者だが島で何らかの仕事を行っているという謎多き青年『榛名望』。
島を揺るがす問題にそれぞれが自身の正義を掲げ向き合っていた。
そんな中、市長が呼び寄せた男が提唱した『駐屯地誘致案』を巡り、街は混迷を深めてゆく。
小料理屋の一女将である『冬浦めぐみ』も否応なくその渦中に巻き込まれていくことに……。

 

 

<システム>

システム……☆☆☆☆☆

いつものTAKUYOでとても安心。他社ゲーとかなり色が違うので最初は戸惑うかもしれませんが、慣れてしまえば他の追随を許さない快適さを享受できると思います。特に、クイックセーブ&ロードのお鉢を奪う履歴ロードの存在が画期的過ぎる。
全イベント回想もあり。
ただ、またしてもスチルが差分も別枠になったことと、選択肢までスキップがなくなったことが、初の退化だったような気がします。どうしたのかな?
あと、依存・恋愛度のグラフがかなり見にくいw
上がったのかどうなのかがわからなくて、ルートに入るのが難しかったことが幾度か。もうちょっと細かい目盛りがるいててもよかったと思いました。

 

グラフィック……☆☆☆☆

カエル畑と同じキャラデザの方ですが、飛躍的に進化を遂げておられます。幻想的ですばらしい。
ただ、やっぱり横顔・動きのあるシーンの苦手さは克服できてないみたい。
あと、攻略対象の顔はまだ安定しているのですが、主人公の顔がスチルだとかなり高確率で可愛くない。
台詞欄横の顔イラストはあんなに可愛いのに、もったいない。
目パチ口パクはなしですが、デフォ名呼びはあり。

 

音楽……☆☆☆

普通かな。
いいと思ったけど、死神の時のような鳥肌が立つほどの盛り上げ感はなかったです。
曲の切れ目がはっきりわかって、ループ時にちょっと不自然な感じがするのもマイナスかな。

 

おまけは、特筆すべきところなく。カウントダウンボイスを収録してくれてるのは嬉しいかな。

  

<ストーリー・キャラクター>

ストーリー……☆☆☆☆☆

わたしとしては、言うことなく満点。ただ、恐ろしいまでに人を選ぶと思います。

 

地雷ポイントとしては、
ムラ社会の閉塞性や排他性、時代柄の異人差別、衆愚政治的なノリ等が恐ろしいまでのリアルさでプレイヤーを痛めつけてくる
・上記理由中心にほぼ全てのルートでモブ住民から数限りない罵詈雑言を浴びせられ続ける
・主人公が病み、攻略対象を引きずり込むという高度なヤンデレルートあり
・恋愛エンドでも文句なしハッピーエンドと言い難いエンドあり
といったことが挙げられるかな。

 

シナリオそのものは素晴らしいと思います。
心臓が痛くなりながらも引き込まれましたし、ぎりぎりの状況下で恋をする過程も丁寧。
共通ルートからの分岐も早くて、各ルートかなり毛色の違うストーリーを楽しめました。
ただ、ほんとに精神的ダメージも大きすぎて! プレイに体力を削られてしまうんですよねえ。
なので、満点をつけられませんでした。
正直、途中で挫折しちゃう人もいるんじゃないかレベルだと思います。

 

死神と違って物語的なネタバレはないです。強いて言うなら榛名の正体が神楽坂・猪口ルートで出てきてしまうくらいかな。でも、別にそこまでたいしたものじゃありません。
切なさも無限大ですが、物語の締めくくりとして一番美しいのは神楽坂恋愛エンドかな。

 

キャラクター……☆☆☆☆☆

主人公も攻略対象もかなり個性的。
4人しかいませんが、それぞれルートも長いし、凝縮されていると思います。
・神楽坂……腹黒策士なおっさん
・望月……一本気、男前フェミニスト
・猪口……紳士な軍人
・榛名……とにかくめんどくさい口の達者な男
どいつもこいつもあんまり乙女ゲー的なテンプレキャラではないので、ハマれば度合いは大きいと思います。
一番スタンダードに萌えられるのは望月かな。
わたしはとにかくめんどくさくてめんどくさくてしょうがない榛名が好きで好きでたまりません!!!
榛名に萌えすぎて、総評にうっかり満点つけようとしちゃったくらい。

  

糖度は望月・榛名の若人組が高めで、望月=榛名>猪口=神楽坂 って感じかな?
精神的にきついのは 猪口≧榛名>>望月>>神楽坂 猪口・榛名ルートの精神削りっぷりは半端じゃない。
依存エンドの素晴らしさは 望月>榛名>>神楽坂>猪口 望月の依存ルートは群を抜いてます。

  

手放しに勧められないのですが、死神に続き、個人的には大好きなゲームになりました。
しかし、TAKUYOは我が道を貫いていきますね。
ニッチすぎる方面に特化しまくっていますが、こういうのまじで応援してます
次回も精神破壊系鬱ゲーをますます極めてくれてもいいし、カエル畑のようなテンポいいギャグ交えゲーを復活させてくれてもいいし、ソラユメのようなギャグからホラーへの華麗なるドラマゲーでもいいし。
次作も期待してます。
ただ新作情報がSNS2連発なのが気になる……。ケータイゲームはやんないんだよなあ。
楽園男子も気になるようなならないような……。
まあ、発売日が5/23なので様子見します。