月影の鎖 -錯乱パラノイア- 神楽坂響感想
※このプレイ日記はネタバレと愛ある悪口が多分に含まれています
切ない……。とにかく切ない……。
本当はラストにしようと思っていたのですが、神楽坂ルートは恋愛エンドでも(いわゆる普通の)ハッピーエンドとは言いがたいという話を聞いて、急遽榛名の前にクリア。
確かに、恋愛エンドでもすごく寂しい。
子供こそできたものの、3年後には神楽坂さんが寝たきりになっちゃってて、もういつ死んでもおかしくない状態なんですよ……。
もうね、こっちの気持ちとしては、あんなに頑張ってきた神楽坂さんがここまでボロボロになってるのが、主人公にこれから待ち受けている長い人生が、辛くて切なくて。
だってまだ20歳ですよ? あんだけ苦労して生きてきて、20歳で子持ち未亡人て、きつすぎる……。
物語としてはとても美しく、切ないルートではあるんですよ。このルートの主人公は病んだりもせず、強く健気に頑張っていたので、特に幸せにしてあげたかった。
依存エンドはあれでいいと思うんですが、恋愛エンドは最後の火事はなくして、これから島を再建していくぞっていう希望あふれるハッピーエンドでもよかったんじゃないかなあ。
ていうかそうであって欲しかった……!!!
神楽坂の過去は意外性あんまりなかったな。ただ、昔話として主人公に語るっていう手法がすごく素敵だった。
とにかくこのルートは物語としての完成度がすごく高い。
主人公が落ち込むたび昔語りをしてもらって、神楽坂の心に近づいていく過程。
他ルートで感じていた、他を全く省みず、押し付けがましいとも言える主人公の「理念」へのこだわりとその反省。
青年団に入りたいという主人公の決意。
「女将」→「めぐみ」への変化。
神楽坂の本音と策が入り混じる、主人公のことを取り上げた市民に向けての演説。
心の壁を打ち破る主人公の熱い言葉と、神楽坂の答え。もうここの萌えはほんと尋常じゃない。神楽坂ルートは基本的に萌えというより全編通して切なかったのですが、ここの萌えだけで転がりまくれた。
さすが神楽坂さん、伊達に40年以上生きてないと思わせられたわ。17歳を押し倒しちゃう不惑の男かっこいいです。
そんでもって、展開としてはすんごい欝なんだけど、最後の火事も、神楽坂の過去とシンクロしてて物語としての美しさはこれ以上ないんだよな。
住民もすげー大人しいんだよな。
猪口ルートのあとだからか、ビクビクしながら見てたのですが、もう拍子抜けするくらい大人しい。
神楽坂さんの先導能力半端ねえ。
ただ、今まで散々クソな面を見てきているので、あんなに良くしてもらうと違和感しかない……。
恋愛ED後に主人公の子育てを手伝ってくれてるとことか、いろいろあげたりもらったり助け合ってるとことか、お前らそんないい奴らじゃねーだろと思ってしまうこのわたし。
どうせ猪口家はまだ村八分なんだろ? とか思ってしまうこのわたし。
脳みそがもうすっかり月影ナイズドされておる……!
住民に罵られないと不安になる!!!笑
とまあそんな話はさておいて。
なんというか、神楽坂ルートは、完成度が高い。これしか言えん。
このゲームは神楽坂恋愛エンドのためのゲームと言っても過言ではないなと思わせられました。
切な鬱エンドに耐えられるなら、これを最後に回すのが一番美しいと思います。