お昼寝タイムズ@ゲーム

ゲーム感想。RPG、SRPG、ADV、アクション、乙女ゲー、ボブゲが好きです。辛口め注意。

バクダン★ハンダン 総評

 

バクダン★ハンダン(通常版) バクダン★ハンダン(通常版)
(2012/06/14)
Sony PSP

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日本最大級のテーマパークの開演日。
テレビゲームを題材にしたアトラクションがウリのこのテーマパークは、ゲームクリエイター稲船敬二」がプロデュースしている事でも話題だ。

稲船氏が開演の挨拶を行う中、突如謎の集団が現れてテーマパークを爆破すると宣言し、爆破を中止してほしくば、7日間の【ゲーム】に参加するように呼びかける!

人質を助け出すために立候補した主人公は、魅力的な6人の男性達と一緒に、アトラクションを舞台にした命懸けの【ゲーム】に挑むことになる!!

 

 

<システム>

システム……☆☆☆☆

まさかこのネタゲーのシステムがいい意味でオトメイトクオリティでないと誰が想像できようか……。
デフォ名呼びありチャプターごとに好感度を調節してそこから再開できる機能ありと、オトメイトにしては至れり尽くせり。
特に、「チャプターごとに好感度を調節してそこから再開できる機能」が素晴らしい。オトメイトにもこんな機能つけれたんだな。
ただ、このゲーム独自の「ひらめきバクダン」「どんな判断だ」は正直クソシステム
推理要素なんてかけらもないし、ただの作業でした。

 

ビジュアル……☆☆☆☆

[逆転裁判」でおなじみの岩元さん。乙女ゲーにしてはアクが強いというか、キラキラしていないというか。多分、一般の乙女的にはあんまりウケないんだろうけど、わたしは大好きな絵でした!
「髪型が違うだけのコピー」が蔓延している乙女ゲー界ではなかなかない、本当の意味で「個性あふれる」キャラデザ。
「どん判」した時の各キャラの崩れ顔なんて、もう最高です。他の乙女ゲーではまず見られない。
スムーズな目パチ口パクがあったのも◎。濃いめのアニメ絵な岩元絵だったので、てっきりないもんだと思ってたから嬉しいサプライズでした。
スチルはぼちぼちかなあ。正直、立ち絵が一番美しいw

 

音楽……☆☆☆

まあ、並かな? 特に気にならず。
黒幕EDの時に流れる曲だけはすごくよかったです。
1回しか流れないのがもったいない! 

 

<ストーリー・キャラクター>

ストーリー……☆☆☆

3日目までが共通、4日目から個別。話は短めかな。
途中でほぼ完全にわかってしまうとはいえ、大きなあらもなく、真相から遠い順にやっていけばわりかし楽しめるかと。
金太郎飴でもないし、それぞれのキャラクターの特徴がよく出ているいい感じのシナリオでした。
ただ、我孫子さん監修だからといって謎解きに期待してはいけない
「なんでこいつら誰も気づかないんだ……」ってモヤモヤするくらい簡単で、まったく面白くないですw
アトラクションそのものは面白そうなのに、もったいない。いっそそれぞれミニゲームにしてくれれば……とも一瞬思いましたが、オトメイトなので、クソミニゲーになるだろうからやっぱりいいです。

 

キャラクター……☆☆☆☆

岩元デザインの絵がとにかくいい味出してる!
性格的には割とテンプレなんだけど、ホストなんかはテンプレ性格(オラオラ)に意外な要素(ホスト)をくっつけてて、面白いなーと思いました。みんな好きだ!
・警部補……真面目
・ゲーマー……根暗
・アイドル……ヘタレ
・ホスト……オラオラ系、気風よし
・占い師……おっとり
・ライター……おっさん
・隠し(全然隠れてないけど)……飄々
こんな感じかな?
そしてこの中にヤンデレが隠れていますw
結構ガチ豹変なのでびっくりしました。ヤンデレ立ち絵とスチルがめっちゃ怖い笑
主人公は頭こそツルリとした爆弾頭ですが、顔は実は可愛いし、勢いのあるところと女の子っぽいところがいい感じに混ざってて愛すべき性格でした。
好きなのは
ホスト>警部補>ゲーマー>占い師>隠し>>ライター>>アイドル
って感じかな。ホストがダークホース過ぎた……。
ちなみに、真相から遠い推奨攻略順は
ゲーマー→ホスト→アイドル→(警部補→)占い師orライター→(警部補→)黒幕
かな。
警部補は、ネタバレ的な意味では最初の位置、熱い展開的な意味では後の位置おすすめ。
ちなみに、ED後のそれぞれの将来が
・警部補(警部補)→そのまま警部補
・ゲーマー(ひきオタニート)→そのままひきオタニート(多分その後バイトを経てゲーム会社正社員を目指す、はず)
・アイドル(アイドル)→そのままアイドル
・ホスト(ホスト)→ホストをやめてニート(?)
・占い師(占い師)→2年獄中+その後はまた占い師か?
・ライター(ライター)→そのままライター(たぶんかなり不安定な職業)
・隠し→出てくるまで何年かかるかわからないガチ犯罪者(爆破・拉致監禁・殺人未遂etc)
半数以上将来が不安なわけですが……。
安パイなのって警部補とアイドル(売れてる間)くらいか……。こんなに攻略対象が(社会的に)だめんず揃いな主人公ってかつていたんだろうか。彼女の先行きが心配です。

  

稲船さんは、存在意義を疑うくらい空気。
稲船さんに絡めて言いますが、このゲーム、見た目のネタゲー臭っぷりを真っ向から裏切る、かなりマトモなゲームです。
シナリオもシステムもマトモ。
まともすぎて、ネタ要素の必要性が見当たらない。というか正直いらない。

  

いらないネタ要素
・稲船
(各地で戦犯扱いされている稲船氏を、すごく頼りになる主人公のいいおじさんポジにつける必要性皆無。ケチョンケチョンにできる悪役ならよかったかも)
・ドン判
(攻略対象に突っ込めるのはいいが、すべて「どんな判断だ」というフレーズなのが雰囲気にあってなさすぎて辛い)
・ワルドブー
(原形をとどめないくらいエフェクトをかけまくってもなお表に出てしまうくらい棒演技な楽しんご。そもそもこんだけエフェクトかけるなら楽しんごじゃなくてもいいのに何故)

 

ネタゲーとしての要素と、真面目な中身が全くかみ合っていない
何故もっとはっちゃけたバカゲーにしなかったのか。
もしくは、何故バカ要素を排除しなかったのか。
どっちとしても不完全。
面白くないわけじゃないのに、売れないのがこれほど納得できるゲームって初めて見ました。