お昼寝タイムズ@ゲーム

ゲーム感想。RPG、SRPG、ADV、アクション、乙女ゲー、ボブゲが好きです。辛口め注意。

逆転裁判5


逆転裁判5逆転裁判5
(2013/07/25)
Nintendo 3DS

商品詳細を見る

4.gif

8年ぶりの弁護に挑む成歩堂 龍一。

逆転裁判 5』のストーリーは、法廷爆破という大事件から幕を開ける。

見るも無残に破壊された法廷。

その傷跡は深く、壁は崩れ天井にはぽっかりと穴が開いている。

すさまじい爆発が法廷内で起きたことを物語っている。

<システム>

基本的には、正当進化。

特にグラフィック面の進歩は著しい。3Dが想像以上の出来で、ぐりぐりぬるぬる動くのが楽しい。

なかでもいい出来だなーと思ったのがクマベエ! スリの動きとか、ゴメンナサイからのチラ見ポーズとかがめっちゃ秀逸でしたw

アニメパートは、正直なくてもいいかなーと。あってもいいんだけどね。

新しいゲームシステムとしては、ココロスコープとカンガエルートかな?

ココロスコープは、面白味はないけど見せ方がよかった。指摘→すぐに絵として反映されるってのは画期的だった! ただまぁ、別に面白くはない。

けど、みぬくとかサイコロックがどっちかってーと「ウソを暴く」のに特化してるのに比べて、「証人を落ち着かせて証言を整理する」ってかたちなのは新しいなあと。この使い方が前半だけだったのが残念。

カンガエルートはよかった!

今までは主人公たちが勝手に推理していってたのが、(トンデモではあっても)論理の過程をきちっと見せてくれるのがスッキリ。

ダンガンロンパからの輸入じゃねーかは言ってはいけないお約束です。

みぬく、サイコロックは相変わらず。

今作は、ココロスコープ(ココネ)、みぬく(オドロキ)、サイコロック(ナルホド)を場面によって使い分ける感じです。

ただ、これらが3パターンに分かれているせいか、どれも簡単なんですよね。中でもサイコロックの簡単さにはガッカリ……。解除のための再度の証拠集めもないし、全部あっさりとけちゃう。

あと、言い方とか表現方法に違いはあるにせよ、どれも本質は一緒(証人のウソを何かしらつきつけて暴く)。

しかも、言っちゃ申し訳ないのだが、こういった要素を法廷パートに持ち込むと、なんだかテンポが悪くなる気がするんですよねえ。

これ系のシステムとしては、やっぱりサイコロックが完成形すぎる。みぬくとココロスコープは蛇足な気がします。

逆裁ミニゲーム的システムとしては、やっぱり

サイコロック=カガク捜査>>>(越えられない壁)>>>ココロスコープ>みぬく

って感じかなぁ。

逆裁は基本システムが面白いんだから、無理して面白くもない新要素取り入れなくてもいいのになぁ。

なのにカガク捜査は復活しないという寂しさ。

UI、システム回りは格段に便利になってます。

・ワンボタンでできるようになったセーブロード

・未読でも台詞スキップ可(逆裁の台詞表示は独特のスローテンポなので好みが分かれると思うのですが、これを一括表示できる)

バックログの表示あり

等々。

ただ、無駄に便利になりすぎたというか、ゆとり仕様になったなぁと思った点もあり。

・探偵パートで調べるところの激減

・しかも調べたら勝手に展開が進んで次の調査場所へ移動することが多々

・既に調べたところにつくチェックマーク

・探偵メモという名のやることリスト

・証拠品の激減(無駄なものがない)

・一定数失敗するとヒントが出る

・むしろ最初からヒント出まくり

・特に探偵パートでの「つきつける」使用の証言あつめは最初からどれをつきつけるか指示されてる

全体として、「遊び」の要素がなくなって、細かい楽しみが減った印象でした。

特に、探偵パートは正直つまらなさすぎる。

<ストーリー・キャラクター>

酷評を受けた4のストーリーを踏まえて、よくぞここまで持ち直したなと思いました。

わたしもいちファンとして、4は話そのものの出来というより、長年付き合ってきたナルホドくんの激変をはじめとした新展開にショックを受けたくちなので、今作で昔ながらのナルホドくんに、部下を持った貫禄みたいなものが出てて、心底安心しました。

オドロキくんもいい先輩役になり、新弁護士のココネちゃんも可愛く、新検事・刑事のユガミやバンも面白く、キャラクターに関しては特に文句ありません。

ストーリーもおおむねよかったかな。

4話と5話が繋がってて、実質4話しかなく、短かったような気持ちになりました。実際はそんなことないんでしょうけど、事件数的にね。

あと、シナリオのテンションといいますが、それがやっぱりちょっと思っていたのと違うかなぁと。

システム面でもあげましたが小ネタの少なさもそうですが、細かいところで違和感があり。

例えば、危機的シーンに「待った!」→ドン、ドン、ドン、バーン! というシーンとか、検事側の切り返しや不利な新事実に対して主人公サイドが「うおおおおおおおおお∞」「な、なんだってえええええええ∞」と叫ぶシーンとか、一回の裁判中に何回やるんだと。

劇的な展開アピールが激しすぎて食傷気味になっちゃうというかね。

全体のシナリオも、いろんなところに意味を持たせよう、ドラマチックにしようとしすぎて、ちょっとクドいところがある気もしました。

別に無理に因縁持たせなくてもいいのにと思うんですけどね。

検事も、ユガミが想像より何十倍もマトモで。

心理操作とかって、大したことしてなくてびっくりしたわ。

むしろカルマの方が裁判長を手玉に取るはおろか、証人の調教までやってのけてたよ。

またカルマみたいなマジでクズの検事と喧々諤々のやりとりもしたいんですけど、もうこれは叶わないのかなあ。

以下、ネタバレ↓

バン刑事はキャラ的に使い捨ての真犯人としてはもったいなかったなぁー。

正義でだまくらかして捜査情報を手に入れるのとか、ココネちゃんが地味に掌で転がしてるところか、3話で美術室の窓からニュっと出てきたところとか面白かったのよね。

しかも、中身がない亡霊だ! とか言われると、倒した感がなくてモヤっとする……。

キャラがよすぎたから、せめて途中から入れ替わってて本物はまだ生きてた、今後は本物が登場ーとかでもよかったなあ。

ユガミの事件が法の暗黒時代の始まりってのもすげー弱いし。

ナルホドくんの捏造事件はまだ「正義の弁護士」として伝説的存在だったらしいナルホドくんががダークサイドに堕ちた事件ってのでインパクトあるのはわかるけど、検事サイドだったら明らかにカルマとか(別シリーズですが)バンサイとかの事件のがインパクトあるだろーに。

いかなる手段を使っても勝つって、それ大昔からカルマさんの得意技ですから!

ユガミが冤罪ってのも見え見えだし、そんな茶番にしなくてもこういう時にこそカルマみたいな悪徳検事を倒してスッキリしたかったわ。

今回は検事2と同じスタッフらしいですね。

いいんだけど、パンチが足りないというか、優等生すぎるというか。

面白い話を作る力や話をきれいにまとめる力はあるんだけど、遊び心が足りないし、「いい話」を作ろうとしすぎるきらいがある。

個人的に、逆裁シリーズはもっとB級なノリでいいと思うんです。お涙ちょうだいの大作ストーリーは期待してない。その分、気の利いた言い回しとか、トンデモ証人とか、あくどい犯人を論破したときの顔芸やら爽快感やらで楽しみたい。

面白いんだけど、かつてのノリはもう期待できないのかもなぁとしみじみ感じて、寂しくもなりました。

6が出たら絶対買うし、今回の5も楽しんだけど、やっぱり1-3には敵わなかったな。

改めて1-3をプレイしたくなりました!