お昼寝タイムズ@ゲーム

ゲーム感想。RPG、SRPG、ADV、アクション、乙女ゲー、ボブゲが好きです。辛口め注意。

古書店街の橋姫 総評

 

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大正十一年六月 梅雨の神保町。
会津から上京してきた玉森は、帝大合格を目指す浪人生。
しかし底知れない空想癖とだらしない性格が災いし、たった二年で下宿先に見限られてしまう。
とある縁で古書店・梅鉢堂に住み込みで働くことになった玉森は、同郷の親友らに甘えながらも浪人生という猶予期間を謳歌していた。
そんな中、頼りにしていた親友の相次ぐ自殺と怪死。
雨の降る三日間をなぜか繰り返していることに気づいた玉森は、彼らを掬うため神保町を奔走する。
何が現実で、何が幻覚なのか。
友人の死の謎を追う、ポップオカルトな大正ミステリー。

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<システム・グラフィック>

システム……☆☆☆

目パチ口パクはなし、デフォ名呼びはあり、キャラの名前変更システムなし……ってもうこれボブゲだといらなくないか!? って思い始めてきたなwww 次回から削りますw
過不足ないADVの基本システムは備わってます。
個人的に滅茶苦茶評価したいのが、ロードしてもバックログが出てくる点。
これ商業ソフトでもなかなかないのに、同人ゲームで、しかもほぼおひとりで作られてるらしいのに、スゴすぎて感動しました!
バックログからの巻き戻りはできないのはちょっとマイナスかな。
あとはシーン回想系が一切ないのも……。ただほぼおひとりで作られてるソフトと考えると、驚異的な出来ではあると思います。

 

本作は選択肢らしい選択肢が一切なく、ほぼ完全に読み物で、正直ゲームかといわれると、そこはちょっと疑問ですね。
攻略も決められた順にしか行う事ができません(中盤のふたりだけ前後する事ができる)。
出てくる選択肢は、キャラクターの分岐点を選ぶ(攻略済みのキャラのルートに入る為の選択肢)もののみとなっています。

 

ボリュームはものすごいです。テキスト量がハンパじゃなくて読み応え抜群!
1ルート目は10時間以上かかったんじゃないかな?
ただこのゲームは各キャラの分岐ポイントがかなり大きく異なるため、後半で分岐するキャラのシナリオはどうしても量的に少なく感じてしまいますね。
一切スキップせずに頭から全キャラプレイするなら気にならないでしょうが、大半の人は既読スキップを駆使してプレイする事になると思うので、後半分岐のキャラは「あれっもう終わったの!?」ってなってしまうかも。


グラフィック……☆☆☆☆☆

おひとりで描かれているらしいのですが、スチル・立ち絵共に美しいです!
特にスチル枚数がとにかく膨大バラエティに富んでいて素晴らしい。差分もいっぱいあるし、とにかく欲しいと思うところには全部ついてるし、ここもスチルあるのかってとこにもついてるし、ほんと滅茶苦茶贅沢です!!!
信じられないくらいばんばんスチルが出てくる。最高
普段のスチルはちょっと抑え目な色味なんですが、主人公の玉森が妄想をよくするキャラということで妄想シーンのスチルもあり、そこはすごくビビッドな色味だったりと、メリハリが利いてるのもすごい。
というか↑に張ってあるバナーもなんですけど、この方の色彩センスすごいですよね?
めっちゃ好きです!!!


音楽……☆☆☆☆

幻想的ですっごくいいです!
わたしは特にシナリオの節目で流れる切な目の曲がとにかく大好きで、もう耳にするだけで泣きそうになるくらい……。
いや実際泣くわ


<ストーリー・キャラクター>

ストーリー……☆☆☆☆☆

友人の死の謎を追うポップオカルトな大正ミステリー……ということですが、犯人を捜したりするミステリというわけではないです。
虚実入り乱れるまさに幻想小説といった感じで、ちょっと人を選ぶところがあるかも知れません。
話もなかなか複雑で、作中人物の解説を聞いても「つまり……どういうことだってばよ!?」ってなる所がわたしは結構ありましたw
まあ、そこらへんはサラッとお茶漬けのように流せばいいかと思いますw
雰囲気は独特ですが、もんのすごく練られた質のいいシナリオであることは確かです。
文学ネタがたくさん出てくる作品なのも、本好きとしては楽しかったですね!
まあわたしは全然齧ってない領域の本ばっかりだったんだけどね!www

 

BLものですが、基本的に攻略キャラたちがみんな気持ちを秘めている(博士除く)のもあり、恋愛模様は終盤も終盤になるまでほとんど出てきません
特に初回ルートは「これほんとにBLなのか!?」ってかなり長い間思ってましたw
スケベシーンもラスト間際の1回だけなのですが、その分、その1回に込められたパンチ力が滅茶苦茶すごいです。
作品の雰囲気も相まって表現もそこまで過激ではないですし、スチルも色味抑え目なので、どエロい~! という感じではないのですが、個人的には秘めやかな営みって感じが逆にすんごい嫌らしかったですw


キャラクター……☆☆☆☆

主人公の玉森くんは、かなり小市民的で、こすっからい性格自己中心的で癖のあるキャラですね。
わたしもプレイ前に玉森くんはクソって聞いてて心してかかったのですが、実際そんなにクソではないと思います!
なんというか……割とたくさんのオタクが持っているであろう、自分の中の見たくないところにスポットライトを当ててしまうキャラというか。同属嫌悪というか、そういう、複雑な気分を呼び起こすキャラではあるなと思います。
わたしは玉森くんのズルさ、可愛くて好きでしたw

 

攻略キャラもクセモノだらけですね! いつもの一言紹介難しいな……。
水上…ずるい優男
川瀬…潔癖症ドS
花澤…天然頑固
博士…変態ドM
仮面の怪人…仮面の怪人
いや仮面の奴はほんと見たままなので。自ルートで中身が出てきますので、中身はそのときのお楽しみにとっておいてくださいw
好きキャラは 川瀬>水上>花澤>博士>仮面 かなあ。川瀬がマジでどえらく萌えまくって最高だった!!! 他もみんな好きなんですが、幼馴染組が強かったですね。
博士と仮面はキャラ的には大好きなのですが、CP的にはほぼ全く萌えられなかったのもありw
ルートは 水上>川瀬>仮面=博士>花澤 かな?
水上ルート、初っ端なんだけどほんっとパンチが強すぎましたね。最高。正直、他のルートやってるときもず~っと水上の影がちらついてましたwww
先述しましたが、ルートは固定なのでオススメ攻略順はないです!


ルート感想でも色々混乱してしまいましたが、とにかく一筋縄ではいかないゲームでしたね。でもほんっと楽しかった!
これさ……お値段がね? このクオリティ、このボリュームでおいくらだと思います? 3000円しないんですよ???
やばくないですか? 価格破壊だよ!!! 慈善事業なのか!? ってレベルの安さでホント驚愕しちゃいました。
普通にフルプライス取っても満足できるレベルのゲームが3000円しないで買えちゃうってほんと驚異的ですよ。あまりにもお得すぎる。
気になってる人はガチで即買いしていいと思います!!!