遙かなる時空の中で5 総評
遙かなる時空の中で5(通常版) (2011/02/24) Sony PSP 商品詳細を見る |
本ゲームの主人公は留学中の女子高生、蓮水ゆき。
ある日、幼馴染とともに冬休みを利用して日本へ帰国する途中、不思議な鈴の音を聞きます。
それと同時に飛行機が大きく揺れ、気を失ってしまう主人公。 なんとか無事に目覚めることが出来ましたが、視界に広がる世界は一変していました。
そこは、神々や人ならざるモノの力を借りた志士たちが争う異世界の幕末だったのです。
異世界と現代世界――ふたつの世界の平和と大切な人を守るため、時空を行き来し、主人公は戦うことを決意します。
たとえ時空を越えるたびに自らの命が削られるとしても……。
それはふたりが生きる未来のため、築いた絆が世界を守る「力」になると信じて――。
<システム>
基本的には遙か3。一度バッドエンドを迎えて、そっから遡って助けつつ恋愛。
つまり1週目は壮大な序章。そしてここが死ぬほど長い。のんびりやったせいかもしれないけど、わたしは16時間かかりました。
これに対して、乙女ゲームのキモとも言えるはずの個別ルートは一人3時間ほどずつのマッハスピード。
命を削ったり砂時計があったり云々は、ほんとうに最初の頃はちょっと気になってたけど、一度も切れたりすることがないし主人公がゼエハアするだけの空気設定。
戦闘は、あんまりしてなかったせいか割と長いこと連鎖術とかで楽しめました。でも強くなってくると完全に作業。
武器封印云々も、まあ楽しいっちゃ楽しいけど、武器に封印するための特別な怨霊が(福地以外)全然話に絡んでこないぽっと出の怨霊だし、イベントにボイスもないし、盛り上がりに欠けまくっていたのでイマイチ。
あとショック受けたのが、話の展開の都合上、「7章までしか遡れない」ということ。6章以前には一切遡れないので、取りこぼしたイベントを見るには引き継ぎナシのまっさらなリスタートをきるしかない。
でもグラフィックはかなり進化してたなーと思います! 立ち絵もスチルも美しい。
特に立ち絵はバリエーション豊かだし、照れ顔が可愛いキャラクターが多くて満足。
スチルに関しては、主人公の目が死んでいるという意見も多いですが、絵に関してはあんまりこだわりがないわたしはそこまで気にならなかったです。十分綺麗!
写真撮影も地味に楽しかった! 福地さんの変態台詞コレクション作ったりね笑
ただ、もうこれは伝統なのか、相変わらずボイスは死ぬほど少ない。
今度こそ、恋愛イベントくらいはフルボイスにしてくれるかと思ってたんですがそんなことはなく……しょぼーん。
イベント回想もボイス付きのところはたぶん全部できるのですが、いかんせんボイス付きのところが少ないので、個別ルートは一人10個ほどという残念さ。
クイックセーブロードもほぼいつも通りのトロ臭い感じ。
でも、システム周りはかなりいいと思います! 完成されているというか。
何周かすると単なる作業に成り下がるものの、ゲームっぽい部分もはじめはすんごく楽しめたし。
<ストーリー>
まず幕末である必要性はなかった、かな。
共通ルートで何が起ころうとも、結局はどのルートも薩長同盟を結ばせれば勝ち、あとはラスボスでも倒しておくか、くらいの雰囲気なので。壮大な序章~6章を一切見返せないしね。
突っ込みどころの多さはまあ置いてけるとして、ストーリーそのものも薄いというのが正直な感想かなぁ。申し訳ないけど。
福地ルートと龍馬ルートはいろんな要素が相まってかなり楽しめたけど、それ以外はぺらーんぺらーん。
なんだろう、これは慣れもあるのかもしれない。
3・4とやってきた身としては、既に時空を遡るのも20回目越えとかなわけですよ。そりゃ大抵の展開が読めてしまう。小松ルートなんてまんま譲やないかーいって感じ。
その慣れ+急展開過ぎる恋愛がどうしても目についてしまう。
コーエーさんはどうも力を入れるところを間違えすぎる。
あと、各所で叩かれまくっているのが主人公の性格なのかな?
「いいとこのお嬢様はあんなもん」だと思いますけどね。脳みそお花畑系。
わたしとしては可愛かったし、中盤以降は凜とするところもあったので嫌いではないです。でも女に嫌われるタイプかなとは思う。
キャラクターは一部を除いてどれもよかったと思う! これが大きい。
福地がとにかく大好き。これで評価がかなり甘くなっている気がする。
八葉の仲がよくなってくると、(ちょっとしかないけど)軽い遣り取りとかが面白いし。
ただ都がちょっと……。外見も声ももろに男なのに女、スチルも男女の絡みにしか見えない、しかも依存系の性格というのがキツかった。突っ込みはいい味出してるんですけど。朔みたいな方がよかったなぁ。
あと祟くんの扱いと造形が本当に酷いというか、救いがない。わたしは「イライラした派」なんですけど。
祟ルートがあればよかったのになあ! 救ってあげられれば全然印象が違ったんだろうけど。
全体として、萌えはあるけど庇いきれない多大な萎えがあるってイメージ。
なんだろう……ゲームとしてのクオリティはかなり高いと思うのにね。
やっぱシリーズの後光とブランド力があるからかな。これを他社が出していたとしたら、かなり評価の高い乙女ゲーになっていたとしてもおかしくない。
でも、コーエーでは、ネオロマではこれでは許されない、って感じ。
客観的に見てつけたものの、コーエー作品としては以下くらい。
キャラクター別感想の時は割と褒めポイントを重視したせいか、総評は辛口になっちゃったな。
なんだかんだわたしはわくわくしたし、楽しんだし、なかなかよかったとは思いますよ!
でもシリーズファンが酷評するのも、クソゲーだという人がいるのもわかる。
結論として、遙かなる時空を越えるのはこれで終わりにして、コーエーさんには新しいネオロマシリーズをつくって欲しいなと思います!
・プレイ記・キャラクター別感想
→プレイ日記:序章~第一章 / 第二章 / 第三章 / 第四章 / 第五章 / 第六章 / 第七・八章 / 第九・十章 / 終章~
→ノーマル
→八雲都
→桐生瞬
→小松帯刀
→チナミ
→沖田総司
→高杉晋作
→坂本龍馬
→福地桜智
→天海
→大団円・四神
好き:福地>>龍馬≧小松>チナミ≧沖田≧サトウ>瞬≧高杉>天海>>>>>都