白華の檻 隠岐秋房攻略
※このプレイ日記はネタバレの塊です
とっても真っ直ぐで、とっても頑張りやさんで、とってもお馬鹿さんな秋房くんでした。笑
緋色シリーズ初参戦ということで、物語のあらすじから確認。
主人公は玉依姫という存在で、世界の終焉となるほどの力を持つ「剣」を封じている。
ところが、「オニ」というものが出現。魂をむさぼりながら強くなっていくこいつも、世を滅ぼしそうだということで倒さなきゃいけないのですが、これと張り合えるのは「剣」を解放した力しかない。
オニを倒すために朝廷と協力することになるのですが、この朝廷はオニを倒すのよりむしろ「剣」の力を狙っている。
朝廷の思惑通りにはならないよう、そして剣の封印を解かぬようオニを倒そうとするのですが……といった感じのお話。かな?
主人公は理性的な美人さんで、強くて(多分ルート初期の実力は胡土前≧幻灯火・空疎>主人公>秋房)、とっても好きなタイプです。
正直に言うと、オトメイトの学習っぷりが目に見える、恐らく戦うもの系シチュでの集大成的な主人公。
・戦える
・でも守られるシチュもある・守られておかしくない立場
・理性的
・逃げろと言われたとき状況を読んで素直に逃げられる
いやこれまじ最後のがかなりいい味出してるよね。こういう女の子なかなかいないんですよ?
この主人公はほんと、類稀なエアーリーディング力を持ってます。
しかし、背負った運命はあまりにも過酷……。
玉依姫は剣を封じるため、なんと7歳のとき引継ぎの儀式で母親=先代の姫を殺さないといけない。もちろん自らも、将来的に次代に引き継ぐときは娘に殺される。
しかも、定期的に剣を鎮める儀式(激痛を伴う)をしないといけない。
過酷過ぎる……。びっくりしました……。なに緋色の欠片ってこんな重い話だったの?
罪ってこういうことかよ……。
幼い主人公を無理矢理母殺しの儀式に連れて行くシーン辛すぎた……。回想で母親との暖かい記憶がよみがえるたび、泣けました。
これが過去のお話なのですが、物語が始まってから降りかかる運命も過酷過ぎる。この主人公何も悪くないのに。あと悪役以外別にダレも悪くないのに世の中そのものが敵みたいなのが辛い。
もうね、この子を幸せにしたくて幸せにしたくてしょうがなくなる。
乙女ゲーの主人公にこんなこと思ったの初めてだわ。
ということで、糖度はかなり低いのですが、強い思い入れをもってプレイできました。
秋房は主人公を守る武官の取り纏め役。主人公命! の忠犬キャラで可愛かったです。おいそこありがちとか言わない。
初回ルートは秋房か胡土前か迷っていたのですが、胡土前の登場シーンが予想の遙か上を行くかっこよさだったため(←わたしは興味のない輩から攻略していく派です)、秋房ルートになりました。
商売人の口八丁に簡単に騙されたり、仲間内で軽くあしらわれまくったり、「ええ。はばかりながら、姫様こそ、この世で最も美しく賢くお優しい姫君かと」(←全然はばかってねえw)と言ったり、ルート中盤まで賑やかしとしての役割がいい味を出してくれます。
秋房はカミの力を発現するまで主人公よりも弱いのですが、主人公に初めて勝ったときがまた可愛いんだ。
「姫様をお守りする立場でありながら、姫様よりも弱いという……! 我ながら、究極的に情けない立場を! 今この瞬間! 俺はついに脱した!!」
やだなんなのこの可愛い子。
また、随所に挟まれる過去編が泣ける。
3年前、主人公の使命を知って、逃がしてくれようとしたその真っ直ぐさが本当に愛おしかった。
智則の言うことが正しいとはわかっていたんですが、その気持ちが嬉しい。
ただお馬鹿。救いようのないお馬鹿。
土蜘蛛と呼ばれる朝廷にまつろわぬ民を皆殺しにする軍の将に祭り上げられようとした主人公を救うためとはいえ、周囲も自分も全力で怪しいと思っている男・道満に、びっくりするくらい簡単に騙される様子には恐らく全国の乙女が突っ込んだはず。そして道満は、乙女ゲーに限らず、豪放磊落キャラにしては珍しく胸がすくほどのクソな悪役ですね。あのつきぬけっぷりは感心します。
しかもそんな道満が自らネタバラシをするまで疑ってもいないのが驚いた。なんというピュアな心の持ち主なんだ。
なんか、ここ、もうちょっとあっただろ! スタッフはもうちょっと騙されても仕方ないシチュエーションを考えてくれてもよかったでしょ! これじゃあ救いようのない馬鹿すぎるわ!
つーか秋篠親子がかわいそうすぎて……。古嗣が……。また大人で……。辛かったあ。
最後は智則との関係が切なかったです。
全部全部考えのうちだったとか、ずるいよ智則……。
でも、あの叫びは心からの叫びだったんだろうなとも思うんです。主人公の苦しむ姿をずっと見てきて、秋房が逃げ出そうとしたときも自分の気持ちを抑えて連れ戻しに行って。なんもできない自分が歯がゆくて。
「ずっと見つめ続けた俺が! 苦しくないとでも思ったのかよ!」
彼のことを思うとすごく胸が痛くなります。だってこの子、攻略キャラじゃないんですよ。この子を幸せにしてあげられるルートはないんですよ。
こんなに幸せにしてあげたいのに……。
秋房と智則の戦いは普通にプレイできたのですが、その後の回想で涙腺崩壊した。
幼馴染3人の関係ずるい。もう戻らない幸せなんてずるい。秋房ルートは過去編がまじで卑怯なくらい涙腺を刺激してくる。
なにもかも終わって、穏やかな幸せを満喫する主人公と秋房を見てても、なんだか切ないんだ。
ほんとに智則ルート用意してくれてもよかったじゃない……。千年後とかなんなの……。
秋房のこと大好きだけど、智則のことを思うとほんとにね。
ルートといえば、悪路王ルートもないことが判明。辛い。心底辛い。
しかし、いまのところ、これは買ってよかった! と思えるゲームでした。重いけど面白い。ナンバリングなシリーズということで敬遠しなくてよかったと思ってます。