死印 総評/感想
「シルシ」、それは“死"へのカウントダウン
記憶と引き換えに刻まれた、“死"へのカウントダウンを意味する謎の痣“シルシ"。
同じ死への宿命を背負った者たちが、微かな希望にすがり、生き残る術を見つけ出す為、人知を超えた恐怖の存在“怪異"が潜む「戦慄の心霊スポット」を探索するホラーADV。
<システム・グラフィック>
ノベルゲ+探索。探索はDRPGみたいな感じ。主人公視点で進み、懐中電灯で照らしたところを調べて、アイテムやなんかを発見していきます。
探索中には怪異に襲われることがあり、そこでは時間制限つきのデッドリーチョイスと呼ばれる選択肢が発生。間違えると(瀕死ですむ場合もありますが、大体)死にます。
また、各章の終わりにはその章を象徴する怪異とのガチンコバトル(ボス戦)があります。ボス戦ではそれまでに仕入れた情報やアイテムを駆使して怪異とバトル。失敗すると死にます。
とりあえずシステムが糞。
いきなりすいません声を大にして言いたかった……。
まず、読むことを主体にしたノベルゲーで文字表示速度固定(しかも遅い)ってもうそれだけで致命傷じゃないですか?
しかも遅いだけに飽き足らず、ボタンを押しても文章が一括表示されないんですよ。遅いのを強いられる。
わたし読むのがかなり早い方だと思うので、これだけで相当なストレスでしたw
加えてスキップ機能もクソで、スキップそのものも遅いわ、ボタン押しっぱなしてないと駄目だわ、演出は全くスキップできないわだし。
さらにセーブロードも不便で、文章中は大体セーブできないし。
死んだら直前からやり直せる機能はあるのですが、上述の通りスキップが不便なので、1回繰り返す事すら苦痛だったんですよね……w
特によく死ぬ(初見だと「詰み」のパターンがあるので)ボス戦は、演出が長いのでイライラも倍増。
とにかくとても現代のゲームとは思えないくらい不便で、終始イライラさせられてしまいました……。
ただ、Amazon等の評価を見る限りこういった不便さにはあまり触れられていないので、これに関しては読むのが早いわたし特有の不快感だったのかもしれません。
探索そのものはホラー感がよく出ていて面白かったです!
グラフィックも不気味さがありとてもよかったですし、気味の悪いBGMも秀逸。
<シナリオ・キャラクター>
死へのカウントダウンを意味する謎の痣「シルシ」を刻まれた「印人」である主人公が、同じ「印人」たちと協力し、怪異に立ち向かって生き残る術を探すホラーADV。
「シルシ」を刻まれると記憶が失われていくため、主人公は己の名前も過去も、己にシルシを刻んだ怪異のことも経緯も、何も思い出すことが出来ません。
協力してくれる「印人」たちは章ごと(怪異ごと)に入れ替わるのですが、小学生からホームレス、霊能力者までかなり多彩で面白い。
また、主人公達が拠点とするのは「九条館」で、ここには命ある人形「メリイ」がおり、色々とサポートをしてくれます。
「流行り神」なんかや、都市伝説系の話が好きな人はハマる雰囲気・内容のゲームなんじゃないかなと思います。探索もホラーなシナリオと相性がよく、話とゲーム内容そのものは結構楽しめました。
各怪異ごとにきちんと解決して、最後すっきり終わるのも◎。
キャラクターも個性的で良かったんですが、担当の怪異が終わるとみんなサラッと去っていくので、ここに繋がりがあったり、最初から最後までいる人がいたり、めっちゃ怪しい人がいたりしてもいいんじゃないかなと思いました。
探索ではパートナーを指定できるんですが、パートナーとの絡みも割と薄いんですよねw
ちょっと反応はしてくれるけど、愛着が沸くかと言われるとそこまでもいかないので、そこも惜しいな~と。
ラスボスというか、主人公にシルシを刻んだ怪異は割とわかりやすかったかなとは思いますが、全体的にシナリオ・キャラクターに関しては高評価。素晴らしい!ってほどではないですが、面白かったとは言えると思います。ぼちぼちって感じw
ボリュームはあんまりないですね。
……なんというか、全体的にストレスフリーならもっと印象が違っただろうなあ~と思えるゲームです。
テキストの表示が鈍足なことや、スキップ不可やら、いちいちやる気を削がれてしまい、クリアまでにかなり期間がかかりました……w
システムが不便な分、真面目にやって死んでやり直してたら絶対クリアする気がなくなるなと思い、結局攻略サイトを見て最短で進めてしまいました。
初回プレイで攻略サイト見るの好きじゃないんですが、致し方なくw
これはセール期間中に500円で買ったからまだ許せましたが、発売日にフルプライスで買ってたりしたら、もっと評価が低かったと思います。ボリュームもそんなにないですし(正直クソシステムだったのでボリュームがないのは今回は助かりましたがw)、フルプライスで買ってたらブチギレてたかもw
話がそこそこ面白いだけに、ほんと惜しい。調べてみたら製作会社のエクスペリエンスはADV初挑戦だそうで、気が回らなかったのかな……いやでもRPGにもテキスト表示もスキップもあるよね……?
次の作品である「NG」はそこんとこどうなってるんだろうか。ちょっと気にはなるけど、買うまではいかないなーという感じです。システムが快適で、シナリオがそこそこよくて、セールが来たら考えないでもないかもしれないw