お昼寝タイムズ@ゲーム

ゲーム感想。RPG、SRPG、ADV、アクション、乙女ゲー、ボブゲが好きです。辛口め注意。

ラッキードッグ1 +bad egg 総評

バクジャンという運命に出会ってしまった(真顔)

以下ネタバレなし総評です! クッソ長いです!!!

長い時が経ってて悪卵の存在を忘れてしまっていたかつてのラキドファン
様子見勢
声優さんの変更で離れてしまった人
ラキド知らない人
ラキドは知ってるけど悪卵の存在は知らない人

全ての人に向けて、届けこのパッション……!!!

↓公式サイトへのリンク 同人ゲームで電器屋さんなどでは買えないかと思いますので、購入の際は公式サイトを見るとわかりやすいです!

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劣悪な無法地帯と化したマジソン刑務所から幹部全員での脱獄は本当に可能なのか――?
例え脱獄できたとしてもそこに待っている現実は、真っ黒な裏切りのみ――
憎悪の中、ジャンの強運が金のリングの紛失とともに暴走――
運命すら捻じ曲げる豪運に、マフィア、ギャングの勢力図が塗り替えられていく。
人間凶器バクシーと共に全てを呑み込んだ時、
そこには一体何が残るのか――?

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<システム・グラフィック>

システム……☆☆☆☆

目パチ口パクはなし、デフォ名呼びはあり、キャラの名前変更システムなし
基本的には過不足ないADVの基本システムって感じで、特に目立った不便はないですが、バックログから巻き戻れたら最高だったな……とは思います。

 

ゲーム本編は脱獄編→ロックウェル編→デイバン編の3パートに分かれています。攻略キャラはバクシー・クリステンセンひとりで、ひとつの物語しかありません(ラッキー値やフラグによってエンディングが分岐したり、出てくるイベントが異なったりはします)。
また、本編とは別途ラッキードッグ1無印本編各幹部ルートのその後を描いたアフターストーリーも収録されています。
本編は1ルートしかありませんが、ボリュームはものすごいです。
+badegg本編だけで、無印本編全部あわせたよりもボリュームがあるのではないかと。
幹部とのアフターもかなりの長さがあるので、全部あわせると無印の倍くらいのボリュームになるかな?


グラフィック……☆☆☆☆

スチル・立ち絵共に美しいです! 今回はダークな物語なせいか色味は抑え目ですが、膨大な枚数の美しいスチルが収録されています。
差分もめっちゃ多くて、おっさんの顔差分そんなにいるか!?って驚くくらい用意されているので臨場感抜群。ぼかしなどを入れた演出面でもかなり表現力が強化されていたように思います。
ただ立ち絵そのものは少ないです。顔差分しかないですしw

 

新規立ち絵がとにかく無茶苦茶美しい。特にバクシーの立ち絵が本当に好みで、立ち絵なのに舐め回すように見てましたw
ただ、序盤の脱獄編は無印と同じ立ち絵なのがさすがに若干違和感があります。約10年前のイラストなので、新規スチルや後半で出てくる新立ち絵とのギャップが激しいw


音楽……☆☆☆☆☆

かっこよくて大好き!
サントラが欲しくて、公式通販でサントラ付きを買い足してしまったくらいですw
物語のテンション的に明るい曲調のものは少ないですが、激しめの曲、特に戦闘シーンのBGMが痺れるくらいカッコイイ。
各幹部テーマもちょっと手直しがされていて、ビターめな雰囲気になっており、こちらも◎。


<ストーリー・キャラクター>

ストーリー……☆☆☆☆☆

※物語の本筋・核心を突くネタバレには触れていませんが、一部展開の弱ネタバレとなる点は白字にしていますので、反転してご覧下さい※
冒頭のあらすじはラキド無印と同じ、「幹部達全員を連れて脱獄に成功すればボスになれるという指令を受けて、脱獄を目指す」というもの。
ところが無印のようには上手くいかず、さらに同監獄にバクシーというモンスターが投入されることで大きく運命が狂って坂を転げ落ちていくという、「ダークサイド・ラッキードッグ1」な物語が繰り広げられます。

 

無印と比べると展開としては圧倒的に暗く重たく、暴力・血・鉄分の要素も強めで、ハードな物語となっています。そういった描写も強化されているため、無印よりかはグロ耐性が必要かなとは思います。物語が終わるまでに4桁くらい人が死ぬんじゃないかな……w
また、無印では仲間であったCR:5と別たれるので、そういう意味でもパンチが効いています。
が、思っていたよりはがっつり憎しみ合う・敵対するという感じではありません。どちらかと言うと、お互い全く望んではいないのに、敵対せざるを得ない状態に追い込まれてしまうという感じ。結果的にはCR:5と袂を別つことになるジャンさんも、そのジャンさんを追い詰める形になる幹部たちも、状況に沿って「こいつならこういう風にせざるを得ないよなぁ」といった感じでリアルに動くので、キャラが崩壊しているという事も全くないです。ただ、かなりシビアな状況に追い込まれることだけは確かなので、そこだけは少し覚悟が必要かも。

 

上記の通り+badeggはかなりハードな物語ですが、ひとつだけ言えるのは、とにかくシナリオが抜群に面白いということ。破綻もなく、歴史的背景や描写も確かで、読み応えがすごい。
BL・恋愛要素を抜いて、単純にイタリア系アメリカンマフィアとギャングの抗争ものというひとつの物語、運命と男達の因縁の物語として見ても、滅茶苦茶面白いです。わたしは年末年始、人間の生活を忘れるくらい夢中になってプレイしました

 

そしてBL・恋愛要素を入れると。もっと面白くなります。身も蓋もなくいうとハチャメチャに萌えます
わたしは元々幹部ジャンが大好きで、バクシーはまあ「ポテンシャルは高そうだけどそこまでな~」って感じだったのですが、+badeggをやって完全にバクジャンに魂打ち抜かれました
キチガイ野郎、ショットガン・バクシーことバクシー・クリステンセンと恋愛できるの? って思うじゃないですか? 
ぶっちゃけわたしも思ってましたし。滅茶苦茶恋愛できます。というかやばいです。萌えのショットガンで心臓を撃ち抜かれます。
詳しくはネタバレになるので触れられませんが、BLゲーとしても存分に期待していい出来とだけ言っておきます。

 

マイナスポイントを挙げるとしたら、物語で触れられるにも関わらずはっきりとは明言されない謎が残ってしまう事や、本作だけではちょっと無理がある(銀河鉄道などの派生ネタを念頭に置かないと違和感がある)設定が少しあることですかね。
正直、全くアラがない物語ではないです。が、このゲームの内包する熱量、面白さは圧倒的で、アラがあるとしても魅力が損なわれるわけではないとも言っておきたいです!

 

また、幹部×ジャンがお好きな方には。
本編では恋愛こそ出来ませんがCR:5寄りのエンディングも用意されていますし、何よりアフターストーリーがすごいです。
これだけでもボリュームが相当ありますし、イチャ甘もありますがそれだけではなく、しっかりとした物語が綴られます。
そして、もし派生なども含めてラキドを追いかけている方でしたら。アフターストーリーは必見と言えるレベルです。誤解を恐れずに言うとこのアフター、派生も含めた幹部×ジャンの物語の完結編だと思います。
はっきり言って、アフター目当てだけでも悪卵には価値があるとわたしは思ってます。

 

キャラクター……☆☆☆☆☆

ジャンカルロは時空が変わってもやはり太陽でした(真顔)。
闇堕ちするので前作とは立ち居振る舞い、テンションは大きく変わっていますが、根っこのところはしっかりジャンカルロ・ブルボン・デル・モンテです。
堕ちても腐っても泥をすすっても相変わらず格好良くて、素敵なジャンカルロに惚れ直しました。
また、バクシー。わたしもプレイ前はさして好きであったわけではなく、頭はいいけどキチガイでモンスターという印象が強かった彼ですが、その根っこはそっくりそのまま、無茶苦茶萌えて燃えるキャラに仕立て上げられていて、衝撃が走ります。悪卵を経て、本当に大好きになりました。

 

新キャラ、闇堕ちしたジャンさんの部下となる男達
全員一筋縄ではいかないクセモノですが、みんな魅力的でした!
「オモテからは見えなかったCR:5のもうひとつの顔」を見せてくれて、出会えて本当によかったなと思っています!
わたしは特に本作唯一の東洋人(日本人)であるテシカガが大好き。
そして公式サイトの登場人物紹介にはいないですが、マックス様大好きです。いやもう本当にwww

 

親世代の感想も書きたいのですが、ネタバレになるので割愛しますw

 

幹部達。敵対すると聞いて不安もありましたが、やっぱりかっこいい幹部はかっこいいままでした。キャラ崩壊は全くないです。ただ、ジャンカルロという運命の特異点を手に入れられなかったということの影響が大きいのか、無印のようにキラキラとストレートに輝いているわけではないです。特に年上組はそのキャラクター性もあって、ちょっとシナリオ的に貧乏くじを引かされているなという印象。
でも幹部達もジャンカルロと同じく、泥にまみれていても強くて美しいです! 安心して彼らの戦いを受け止めて欲しいと思います。

 

で、気になっている人も多いであろうキャスト変更についてですが……。
個人的な感想になりますが、以下に記します。
・ジャンさん:脱獄編は違和感があったけど、ロックウェル編あたりで慣れて、デイバン編では「悪卵ジャンさんはこれでよかった!」って思えるようになりました。ダークな雰囲気とすんごく合ってるんですよね。吐き捨てるような「ヴァッファンクーロ」が大好き! あと、かなり雰囲気をオリジナルに寄せてくれている気がします。
・バクシー:前バクシーと比べるとキチガイ度低め。最初はやや違和感ありますが、こちらも慣れてきます。というか開幕が弱弱キチ演技をしていて普段と全く状態が違うので、割とすんなり入れる。そして声に慣れてきた頃に元に戻ってくれるという親切設計。
・イヴァン:個人的に一番違和感がなかったですね。ファックの言い方が慣れてない感あって可愛い気がしましたw
・ベルナルド:前キャストが唯一無二の声帯すぎてちょっと違和感が激しい。あんなにエロくて情感的な「ハニー」が言えたのは前キャストさんだけだったなあとしみじみ。ただ喋り方は寄せてくれてるかなと思いました。最終的に慣れたw
・ルキーノ:前キャストが唯一無二の声帯すぎたその2。ただ前情報抜きで考えると、キャラの外見的に「ルキーノっぽい」声なのはこっちかなとも思います。とにかく罵声の言い方が違いすぎて、そこだけは最後まで慣れなかったw いいお声だとは思うし、こっちはこっちで好きなんですけどね!
・ジュリオ:変更なし。ただ無印より圧倒的にコミュ障力が上がっている気がしましたw
サブキャラに関しては割愛します。
総合しまして。オリジナルキャストも大好きだけど、新キャストさんも無茶苦茶好きです! となりました!

 

ただわたしは声に関してはこだわりが少ない方なので、こればっかりはどうしても無理な方もいらっしゃるかと思います。
ですがひとつだけ言える事は、声が無理なだけで諦めてしまうには、+badeggは余りにも素晴らしい物語であるという事で……。
声が無理な方でも、ボイスオフでもいいので、是非悪卵に触れて欲しいなと思います。

 


なんというか雑にまとめるとめっちゃ面白いから安心してくれよってことです(本当に雑)。
ラッキードッグ1を知っている人にオススメするのはもちろんの事、
「ラッキードッグ1」の「IF世界」という位置づけの物語である本作ですが、純粋に話がハチャメチャに面白いのでラッキードッグ1を知らない人でもR18BLに嫌悪感がないなら是非オススメしたいし、
キャスト変更や延期に次ぐ延期でラキドの世界から離れてしまっていた人にもキャス変や年月で見切りを付けるには余りにも勿体無すぎる出来なんだと言いたいし、
敵対というワード、バクジャン1ルートしかない事で尻込みしている人にはどんな世界でもラキドはラキドだ裏切らないぞって言いたいです。

 

わたしがドはまりしてるから、この総評は純粋には客観的じゃないかもしれない。
でも、
今まで割とドライなオタクだったわたしがこの熱量をかけて記事を書き、
今までソフトの複数買いなんてしなかったわたしが生まれて初めてソフトの複数買いをし、
どんなに気に入っても1週終わったらすぐ次のゲームに向かっていたわたしが抜け出せずに即2週目に突入したという、
その事実は本当に確かなんです。
ここは好みの問題もあるかもしれませんが、ノワールな世界観が本当に刺さったので、純粋に話としてはラキド無印より悪卵の方が好きなくらいです。

 

ラッキードッグ1 +bad egg めっちゃ面白いです。出会えてよかった。
みんなやってくれ~~~~~~~頼む~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!