お昼寝タイムズ@ゲーム

ゲーム感想。RPG、SRPG、ADV、アクション、乙女ゲー、ボブゲが好きです。辛口め注意。

BUSTAFELLOWS (バスタフェロウズ) リンボ 感想

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強くて優秀で、あらゆる意味で「恵まれた人間」であるリンボの弱さが見えるルートでめっちゃよかった!
バスタフェはホントやってて面白いなあ……。
あと一人で終わりなのが心底寂しいです。
以下、ネタバレあり感想です!

 

 


序盤に出てきた謎の名前「ナヴィード」がシナリオの核として登場。
ところで伏線といえば、あの時テウタが言った名前が「ナヴィード」だっていうのが誰にも触れられなかったのがちょっと違和感といえば違和感。
テウタは一瞬思いだしかけただけで、まあ実際忘れてててもおかしくないんだけど、リンボもそれについて触れないのがな。覚えてたとしたら最初からもうちょっと怪しんだっていい気もする。
閑話休題
伏線がなくったって怪しさ全開の彼なのですがw
リンボの掲げるのが「誰のためにも怒らない、冷静な正義」だとすると、ナヴィードは「誰かのために怒る、情熱的な悪」って感じ。
リンボの正義って、やっぱ「恵まれた人間」ならではのものの見方って感じがしてたんですよね。
誰かのために怒ったり悲しんだりしない、そうすれば一番冷静でいられるってのは間違いなくそうなんだけど、それって裏を返せばそこまで感情を揺さぶられたことがないから言える話でもある。
だからといって、ナヴィードみたいに悪いことしていいってわけじゃあないんだけど……。
ナヴィードもさあ、過去悪事に手を染める前にリンボにちょっとでもいいから相談してくれればよかったのにな~とも思ったんですよ。でもナヴィードはリンボと仲が良くて、リンボを、リンボの価値観と正義をよく知っていたからこそ相談できなかったんだろうなあとも思うし……。実際相談してたら、過去のリンボだとまず間違いなく止められただろうしね……。そこらへんが語られなくてもわかるのがこのシナリオのうまくて、同時にしんどいところw
リンボの正義、それを徹底的に掘られるシナリオが気持ちよかった!
リンボとテウタって「分からなくても分かろうとする人間でいたい」って部分が共通してて、すごく似てるところもあるんだけど、誰かのために怒らない悲しまないことをモットーとしているリンボと怒って悲しむテウタは全く違って。リンボがテウタの、そういう真っ直ぐさに惹かれていくのがすごくよかった。
最終的には、リンボがテウタという存在を得たことで、ナヴィードのように「他の何かを犠牲にしてもテウタを選んでしまうかも知れない悪」の気持ちの芽生えを知るっていうのが、最高。
存在は知っていても実感したことのなかった新しいものを得ることで、きっとリンボの「正義」は少し今までとは違ったものになったんだろうな、って思えるのがグッとくる。
実際、テウタが死ぬBAD:Bでは、リンボは衝動に駆られてナヴィードを撃ち殺しちゃうんですよね……。
正規エンドではリンボの中に芽生えた「悪」、「衝動」の気持ちが発露されることなく終わるので、バッドエンドって形でこれが表現されたってのが、すごく嬉しい!
まさにバッドエンド! って感じで!!!
ていうか、ステラ特典のBAD後ってこれの話なのかな?
BAD:Aはリンボもテウタもナヴィードに殺されてしまってるので、多分こっちなんだろうな。このエンドの後とか絶対めっちゃエグいじゃない……読みたくて痺れる……。頼むからステラセット復活してくれえええ!!!
(って書いてたら、まさにちょうど復活したって友達が教えてくれて、秒で買いました。リアルタイム実況でウケるなw めっちゃ楽しみです!!!)

 

またリンボのためにみんなが怒るのがいいんだぁ……。ヘルベチカのブチギレとか、シュウの解説とか。「リンボに頼られなかったら寂しいから、俺達が大丈夫じゃないんだ」って。
ヴァレリーさんのブチギレとか……。ヴァレリーさんほんとに好き……。
リンボにキレて道端でプロレス技かけるとこ、まさかスチルがあると思ってなくてめっちゃ笑ったwww
あそこ、リンボの死ぬほど情けない声も最高に面白いw
今回のバスタフェファミリーネタで好きだったのは、感謝祭で実家に戻るリンボに対して、シュウやスケアクロウなんかの家族がいない組が「俺って家族いないんだけど可哀想じゃねえ?」って自分で言うところw
明るくネタにするだけじゃなくて実際彼らはそれについてなんとも思ってなくて(喪失そのものについてはまた別だろうけど)、まわりもそれは同じで。わたしも似たような状況なのでわかるんですけど、そういう空気感がすっごくいいなぁって思いました。
バスタフェ内だと、生まれも育ちも圧倒的にリンボが恵まれてて、他は結構悲惨な生い立ちを持ってたりするんだけど、それに関してみんな気負うところがないのがすごく好き。無意味に哀れんだりしないんですよね。
でも実際に過去が「問題」として立ちはだかってきたら、助けようとするの! 何度見てもいいなぁって思ってしまいます。

 

ナヴィード問題が解決して、SideBはまあ甘いんですけど、リンボは今までのところ一番余裕ある感じですっごくよかったな……。
余裕のあるリンボに悔しがるテウタもかわいい。
「俺も余裕ないよ」って言って、まあないところもあるんだけど、大人だし実際にテウタよりかなり余裕はあって、でも内心「ぐちゃぐちゃにして食べちゃいたい」とか思ってるのもいい……。
リンボって優しいけど仲間に対しても結構ドライ……というか、フラットなところあったのが、ルート内で、テウタにだけ崩れてるってのがめっちゃいい……。
ヘルベチカとかはドライに見えて実は仲間に対してめっちゃ熱くて、だから自ルート外で口突っ込んでくることが多いんですよね。それもそれで最高に好きなんだけど、リンボは割と突っ込んでこなかった気がして、だからこそここでテウタに対してこういう気持ちを抱いてるってのがはっきり表現されてるのが萌えた……!

 

さああああ最後はついに本命の!!! シュウです!!!!!