お昼寝タイムズ@ゲーム

ゲーム感想。RPG、SRPG、ADV、アクション、乙女ゲー、ボブゲが好きです。辛口め注意。

DRAMAtical Murder 総評

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今よりずっと先の未来。
日本列島の南西に位置する碧島(みどりじま)。
かつてそこは自然と人々が共存する豊かな島であった。
しかし日本有数の財閥の1つである「東江財閥」によって買い上げられ、島の約3分の1が豪華な会員制娯楽施設「プラチナ・ジェイル」へと姿を変えた。
最新鋭の設備を備えた「プラチナ・ジェイル」が注目を集める一方、強引な開発の犠牲となった島民たちは「旧住民区」に追いやられ、決して裕福とは言えないその場所での生活を余儀なくされていた。
主人公・蒼葉はその旧住民区にあるジャンクショップ「平凡」でのアルバイトに日々を費やし、祖母のタエと二人で暮らしていた。
旧住民区の若者たちの間では、とあるゲームが流行していた。かたやチームを作り、肉弾戦での縄張り争いを日々繰り広げる「リブスティーズ」と、かたや仮想世界を舞台にした電脳オンラインゲーム「ライム」に熱狂する「ライマー」。
だが、蒼葉はそのどちらにも興味を示すことなく、ただ婆ちゃんとのんびり暮らせればそれでいいと思っていた。
しかし、平穏な日々を揺るがす異変は確実に起こりはじめていた――。

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<システム・グラフィック>

システム……☆☆☆☆☆

かなりよかったと思います!
設定が細かい。特にウィンドウモードのサイズが選べるのは初めて見ました。
普通のスキップも十分早いのですが、選択肢スキップもあり
メニューのショートカットがキーボードに割り当てられているのも大変便利でした。
バックログやメニューを出しても、閉じたらボイスが続きから再生されるのも地味に嬉しい。
難点はシーン回想がほとんどないことかなぁ……。全キャラ、濡れ場シーンしかないというw


あと後述の通りこのゲームは演出面が大変凝っているのですが、タイトル画面にもこだわりがあってよかったですね。タイトル画面で主人公のDot絵がピコピコ歩いてるんですけど、周回を重ねるごとに攻略したキャラが後ろに増えていくという。こういうの、可愛くて大好き!

 

グラフィック……☆☆☆☆☆

キャラデザの方が立ち絵も原画も描かれてるようで、安定してきれい……なのですが、立ち絵が一部、なんというかこう……バランスが悪かったように感じます。
普段はテキストウィンドウに隠れててあまり見えない部分ではあるんですけど、腰の位置が高すぎるというか、胴が短すぎるというか。
スチルはあまりバランスの乱れも感じなかったので、立ち絵だけ何故……? って思ってしまいましたw
スチルは本当に綺麗です! 絵柄がいいっていうのもあるんですけど、個人的に、物語というか、雰囲気のある一枚絵を描かれるのがすごーーーくいいなぁって思いました!
スチル枚数そのものは少ないわけじゃないですが、差分は少なかったな。

 

このゲーム、特筆すべきは演出面の力の入れようだと思います。
こんなに演出が凝ってるボブゲ、見たことない……!
ボブゲ界隈では有名な話らしいのですが、わたしはここのブランドは今作が初めてだったので、感動しました!
セリフの途中で立ち絵が切り替わったり、キャラクターの登場シーンで特別な演出がされたり、背景がピカピカ光ったり、テキストウィンドウ内のフォントが変わったり、スチルの見せ方もすごいし、選択肢もシーンによって特別なものが出てきたり、他にも書ききれないほどいっぱいあるんです……!
開幕、まずシナリオ中からシームレスにOPムービー(しかも滅茶苦茶かっこいい)に移行するのにまず度肝を抜かれちゃいましたね……。
とにかく画面がくるくる動いて、しかもそれがワンパターンではなくたくさんのバリエーションがあるので、プレイ中ほぼずっと新鮮な気持ちでいられる。
すごいゲームだなと思いました!!!

音楽……☆☆☆☆☆

上述のOPムービーに使われている曲はじめ、名曲揃いでした!
SFちっくな世界観にマッチしたスタイリッシュサウンドレトロなピコピコ音楽もあって、非常に楽しめました。
各キャラBADEND時に固有曲が用意されているのも豪華。
わたしはとにかくOP曲が好きで、というかムービーもあわせてOPが好きで、何回も何回も再生してましたw


<ストーリー・キャラクター>

ストーリー……☆☆☆

舞台は未来、碧島。超巨大娯楽施設建設のための立ち退きに賛同せず、前述の施設に不便な暮らしを強いられている住民のひとりであるジャンクショップ店員・蒼葉が主人公。
そんな蒼葉の平凡な生活が、とある事件をきっかけに変化を見せ始め……といった話。
なんと言ったらいいか……シナリオそのものは驚くほど大雑把です!w
とてもすべては突っ込み切れないほどツッコミどころがあります!!!
雑というか……「こまけぇこたいいんだよ!」感がすごいというか。
一応この話、最終目的みたいなものがあってそのために頑張る話なんですけど、最終目的にカスりもしないルートがそこそこありますからねw
それ以外にもとにかく「え???」ってなるシーンや設定が多くて。でも「え???」って思ってもキャラが「当たり前ですけどなにか???」みたいな顔してるからなんか「あ、そ、そう……そうだね……?」って押し切られる。
なんというかパワーがすごいんですよ。
わたしは話の面白さと整合性は別で、整合性が取れていなくても面白い話はあると思ってるんですが、ラマダはまさにそれです。
整合性は全く取れてないけど、勢いがあって面白かった!
ただまあ、ツッコミどころが山のようにあることは紛れもない事実なので、そういうのがダメな人が楽しむのは難しかろうと思います。


キャラクター……☆☆☆

主人公の蒼葉は割と常識的な普通の若者かと思います。
蒼葉可愛い! 貞操観念緩い! みたいな風の噂を聞いてたんですが、思ったより男の子っぽかったし、貞操観念も緩くなかったです。
危機管理能力……というか警戒心は全くないですが、まあこれは蒼葉に限った話ではなく、ラマダキャラ全員に驚くほど警戒心がないので……。
喋り方はちょっと舌足らずかな? でもそれがだんだん癖になってくるw
あと喘ぎ声が、場面によってはちょっと機械的かな……と思ったところもありました。個人的にですがw

 

攻略キャラは5人。
紅雀…幼馴染な気のいいにーちゃん
ノイズ…生意気な年下
ミンク…寡黙な巨漢
クリア…素直なガスマスク
隠し…

好きキャラは ノイズ>ミンク>紅雀>クリア>隠し かなー。見た目全く好みじゃなかったのに、ノイズにとにかくハマった……!
話としては真相が圧倒的に面白かったので、ルートは大きく変わって 真相>ミンク>ノイズ>紅雀>クリア かなあ。ミンクは目的がブレない、行動に理由があるってのが高得点の理由です。クリアはちょっと描写不足の面が目立ったかな。
攻略順は自由で、4キャラ終えると真相ルートが開放。
最初の目的は全員のルートで平等に忘れ去られているので、誰からやってもいいと思います。まあ、強いて言うならクリアが一番真相に近い……かな?
あとは本命の攻略キャラではないですがウイルスとトリップのENDもちょろっと用意されてます。これがマジで最高で咽び泣きました。ウイトリ蒼の個別ルートが普通に欲しいです……。

ラマダ強みと弱みがはっきりしているゲーム、っていう印象ですね。
とにかくビジュアル面が強い。力を入れて作られているということがはっきりわかりますし、純粋にプレイしていて楽しかった!
キャラクターも魅力的だし、シナリオも力がある。
ただ圧倒的にツッコミどころが多い。難点はそれに尽きますw
逆に言うとそれさえスルー出来れば、めっちゃ楽しめるゲームです!
FDのリコネも買ってあるので、続けて楽しもうと思います!