お昼寝タイムズ@ゲーム

ゲーム感想。RPG、SRPG、ADV、アクション、乙女ゲー、ボブゲが好きです。辛口め注意。

グノーシア 総評/感想

グノーシア|オンラインコード版

グノーシア|オンラインコード版

  • 発売日: 2020/06/02
  • メディア: Software Download
 

グノーシアは嘘をつく。人間のふりをして近づき、だまし、そして身近な人間を一人ずつ、この宇宙から葬り去る――。
漂流する宇宙船内にて、人間を襲う未知の敵「グノーシア」に直面した乗員達は、誰が敵なのか分からない状況でこの危機を収束させるために、一つの解決策を試みる。 最も疑わしい人物から一人ずつコールドスリープさせ、船内に紛れ込んだ全てのグノーシアを活動停止させるのだ。
しかし、その人物が本当にグノーシアだったのか、あるいはスケープゴートにされた哀れな人間だったのか、知ることは難しい。最後に笑うのは人間なのか、それとも――?

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<システム・グラフィック>

人狼ゲームをベースにしたADVです。
人狼ゲームというのは、ざっくり言うと『とある村に人狼が紛れ込んだ。人狼は見た目では村人と区別がつかないが凶悪で、毎晩一人ずつ村人を殺す。人狼に全滅させられるのを防ぐため、昼間に村の全員で話し合いをし、人狼と思われる人物を多数決で決定し、「吊して殺す」。人狼と村人が同数になったら、人狼の勝ち。その前に人狼を全員「吊るし」終えたら、村人の勝ち。』といった感じのパーティゲーム
人狼ゲームがわかっていると入り込みやすいかなとは思いますが、ゲーム内でも丁寧に説明があるので、人狼ゲームを全く知らない人でもきちんと理解して楽しめると思います!

 

本作の舞台は宇宙船で、人狼」役は「グノーシア」に汚染された「グノーシア汚染者」という設定。
「グノーシア汚染者」を話し合いで推理し、「吊るし」=「コールドスリープすることで、船内の人間を守ることがゲームの主旨。
いわゆるループもので、「人間」や「グノーシア」といった役割はループごとに異なるため、誰が何役なのかはループを終えるまでわかりません。
また主人公も「グノーシア」サイドになる可能性があります。

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基本的に「グノーシアを全員コールドスリープにする(=人間の勝ち)」「グノーシアと人間が同数になる(=グノーシアの勝ち)」と1ループが終了し、勝敗によって経験値がもらえます(勝つとたくさん、負けると少し)。

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主人公はその経験値でレベル及びステータスを上げ、有利に進めるようにしていく。
また、ステータスを上げると「コマンド」を使えるようになり、「名乗り出ろ」と言って、「エンジニア(毎晩一人選んでグノーシアか否かを判別できる)」や「ドクター(前夜コールドスリープした人間がグノーシアか否かを判別できる)」に名乗りを促すことが出来るようになります。
1ループは長くても15分ほど。何度も何度もループすること前提のゲームなのですが、1ループが短くて区切りやすいのでストレスがない。それどころか、気がつくと「もう1ループ……」と長時間プレイしてしまうこともしばしば。

 

ゲームを進めるキモとなるのが、「直感」や「論理」「かわいげ」などといったステータス、及び、各キャラクターの性格
例えば、「論理」的だが「かわいげ」のないキャラ「ラキオ」は、まともなことを言っていても周囲の反感を買いやすく、すぐ吊されてしまう。逆に、特に推理力は高くないが「かわいげ」「演技力」のある「ククルシカ」は、怪しくても票を集めにくく、なかなか吊るせない……などなど。

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ここらへんどのキャラも特色があり、ループを経るごとにキャラの特徴が理解出来てきて、「こいつはこう振る舞うだろうから、自分はこう行動しよう……」なんて風に場の空気が読めるようになってくるのがめちゃくちゃリアルで面白い

 

このゲーム、「勝つ」と嬉しいですし経験値をいっぱい貰えるので、ひたすら勝ちを目指すのがいいのかと思いきや、そういうわけではないのがミソ。
実際、ループごとの勝敗にはそんなに意味はありません(経験値の多寡くらい)。
特定条件下で起こる「イベント」で各キャラの秘密を暴く、及び、ループそのものの謎を解くのが本作の真の目的だったりします。
この勝っても負けてもいいっていうのが気安さに拍車を掛けていて、ゲームの面白さに繋がっているのかなあと思いました。

 

グラフィックは、まあ見たままです。
ちょっと癖のあるデザインかと思いますが、綺麗で良かったと思います。UIもわかりやすくて◎。


<ストーリー・キャラクター>

主人公はとある宇宙船で目覚める。宇宙船の乗員の中に、「グノーシア」という未知のなにかに汚染されてしまった人物が紛れ込んだらしい。「グノーシア汚染者」をあぶり出し、全員「コールドスリープ」にしないと、乗員が殺されてしまう。最後に笑うのは人間なのか、それとも――?
また、主人公と乗員の一人「セツ」のふたりだけは、この世界で「ループ」している。ループの原因は何か、どうすればループを抜け出せるのか、主人公とセツは、ループを繰り返しながらその謎に挑む……というお話。

 

人狼ゲームとこのシナリオの食い合わせが本当に良くて、滅茶苦茶面白かったです。
人狼ゲームそのものはもちろん、その過程で解けてゆく大きな謎も面白い。
ループの秘密は各キャラの抱える秘密を暴き出すことで少しずつ明かされていくのですが、各キャラの秘密もまた興味深くてね……
短時間プレイしやすいのがこのゲームの特徴なんですが、ゲームプレイとシナリオが面白すぎて、気付くと結構長時間やっちゃってたりもしました。

 

キャラもみんな好きでした。みんな好きというか、どいつもこいつも癖があるのに、周回を繰り返すごとにだんだん愛着がわいてきちゃうんですよねw
とりあえずで吊られてしまうしげみちとか、嘘を即見抜かれるコメットとか、めちゃくちゃ場を引っかき回すのになんだか憎めないSQとか、とにかく圧が凄い夕里子様とか……。
敵に回るとやっかいだったり(逆に味方にいるとやっかいな人もいるw)、なんやねんこいつって思ったりもするのに、なんか気付くと全員好きになってしまっている……そういうゲームです。

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わたしのお気に入りのキャラはチャラくて生き残りたがりの沙明! 某イベントの破壊力が凄かった……!

 

こういうタイプのゲームは初めてやったんですが、革命的でしたし、本当に楽しかったです!
ノベルゲーもってこういう風にも出来るんだなあって、新しい可能性を見せて貰えたような気がしました!
プレイする際には是非真エンドまで行って欲しい。めちゃオススメです!
当リンクにはSwitch版を張っていますが、Vita版もあります。ちなみにどっちもDL版のみです!