ビルシャナ戦姫 ~源平飛花夢想~ 総評
平家と源氏の命運をわけた『平治の乱』から十五年――。
栄華を極めた平家はこの世の春を謳歌し、敗れた源氏は没落の中にあった。
かろうじて命を助けられた源氏の御曹司・遮那王は、
山深い鞍馬に預けられ、修行の日々を送っていた。
そんな遮那王には誰にも知られてはならない秘密があった。
――実は女だという重大な秘密が。
<システム・グラフィック>
システム……☆☆☆☆
目パチ口パクあり、デフォ名呼びあり。
選択肢スキップありますが遅め、通常のスキップは死ぬほど遅いです。恐らく演出が凝っている弊害だと思うのですが……ってこれつい最近キュピパラでも全く同じこと書いたなw
台詞送りもめっちゃ遅いんですよね……。特に演出が続く戦闘シーンや、やたらめったら挟まれる回想シーンは、ボタンを押しても一瞬止まったようになるのが鬱陶しかった。
フローチャートがあり、好感度やエンディングに関係する各ステータスが自由に調整できるのが◎。
エンディングリストはないですが、すべて恋愛エンド+悲恋エンド+中途BADふたつということで統一されていたので、特に困ることはなかったです。
オマケはフルコン記念の絵があるくらいですね。
グラフィック……☆☆☆
メインキャラデザ原案は羽田浩二さん。原案と書かれているからには、本当に案だけなのかな……? よくわからなかったw
ともかく、メインキャラの立ち絵はどれも素晴らしかった!
ただ、スチルがちょっと……。
う~ん、なんだろうな。壊滅的に絵が崩れてるというわけではないんですが、妙にキラキラテカテカしてるし、立ち絵と絵柄にかなり差があるし、構図もワンパターンだし、欲しいところにはなくて「えっここ?」ってところについてたりして……。正直、とても満足いくとは言い難かったです。
ただ、演出面はかなり力を入れてるなと思いました。戦闘シーンの剣戟は特に印象的でした。ただ目新しいのは最初だけで、単調なのと多すぎるのとで飽きます。剣戟シーン、多い上に演出が重いせいでダレかたが半端ないんだよな……。
もっと要所要所に絞って入れてくれればよかったのに、惜しいなあと思いました。
音楽……☆☆☆
可もなく不可もなく、乙女ゲーのBGMだな~という感じでした。
ただED曲の入りはすっごい好きです!
<ストーリー・キャラクター>
ストーリー……☆☆☆
女であることを隠して源氏の末子・遮那王(源義経)として育てられた主人公。平教経とのいざこざを経て京を追われ、源氏とゆかりの深い平泉に身を潜めることとなるのだが、頼朝の挙兵をきっかけに源氏の武将として源平の戦いに身を委ねていく……というお話。
源義経を主人公とし、源平合戦をベースとして描かれる歴史物……と思いきや、主人公には危機になると現れる不思議な力があるという設定の歴史ファンタジーでした。
共通短め、個別長め。某ファ○通ではクリアまでに88時間と書かれていたそうで、ひょっとして超特大ボリュームのゲームなのかと思っていたのですが、全然そんなことはなかったです。個別短め、共通長めで並の乙女ゲーくらいのボリュームですね。
ベースとなっているのが源平合戦で、どのルートもそこから大きく外れることはないので、シナリオはかなり金太郎飴寄り。
個別に入ってからも共通の章があったり、完全な個別でも全く同じやんけってシーンも多々あり。特に個別ルートの同じシーンは全く同じでも飛ばせないので辛かったw
戦いの結果も当たり前ですがほぼ同じなので、正直、後半の人になるにつれてだんだん飽きてきます。
あと戦闘シーンがくっそ多いし長いんですよね……。
しかも「やあっ!」キィン!「ぐはっ!」みたいなめっちゃ単調なやつ……。
さらに上述しましたが演出が重いせいもあって、最終的に戦闘シーンは多い長いダルい重いの四重苦でした……。虚無の顔でボタン連打してた。しかも連打しても遅い。
話的に戦闘シーンが多いのはある程度致し方ないとはいえどう緩く見積もっても半分以下には減らせたはずなので、こういうので嵩増しは本当にして欲しくなかったなと思いますw
主人公は源義経ですし、男として生きているのもあって、糖度はベラボーに低いです。衝撃の微糖具合。
ただみんな真面目で、恋愛とは言い難い部分もありますが、人間同士の縁の深め方は丁寧だったと思います。
デフォルトが微糖過ぎて、なんでもないようなシーンでも萌えが爆発しそうになるところもありましたw
キャラクター……☆☆☆☆
主人公の源義経は生真面目。女ですが、戦闘面ではほぼ最強に近いチートキャラ。足を引っ張るどころか、大抵の戦闘シーンで死地を切り拓くのは主人公の超絶戦闘能力です。
どのルートも史実に沿っているせいで、己で決断しているというよりは歴史の流れに身を委ねているように見えるせいか、戦う男装主人公源義経という強烈なキャラ付けがある割に、個性は滅茶苦茶薄く感じました。なので、個人的な印象は可もなく不可もなくです。
攻略キャラも比較的優等生揃い。
・源頼朝…冷酷な兄
・平知盛…他ルートだとサイコストーカー(自ルートだと普通)
・平教経…熱血ライバル
・春玄…溺愛幼馴染
・武蔵坊弁慶…忠実な家臣
好きキャラは 知盛=頼朝>教経>春玄>弁慶。
ルートは 頼朝=教経>春玄>知盛>弁慶。
知盛はキャラ萌えはできたんですが自ルートはそうでもなかった。合わせて考えると頼朝と教経がよかったかな~と思います。弁慶はどっちも微妙ですまんかった……w
サブキャラは佐藤兄弟と重衡がよかったです! 特に重衡はifルートで爆萌えしました……。シーン切り取りで言うなら、重衡ifにあったシーンが一番萌えたかもというくらいw
ビルシャナ、萌えも燃えもあったし、アクも強くなく、突っ込みどころも少なく、めっちゃ優等生な乙女ゲームでした。
ただ個人的にはドはまり……とまではいかなかったです。うーんなんだろうなあ。金太郎飴なのが響いたのと、知盛が思ってたのと違ったのと、シナリオに起伏があんまりないせいかな……?
戦が起きてばんばん人も死ぬシナリオなんですが、その割には驚くほど悲劇も悲壮感もない。歴史の流れに沿っていて基本的に勝ち戦なのが見えているのと、味方サイドにほぼダメージがないのが原因として大きいかもしれないですね。
最近だとキュピパラと比べると、あっちの方が圧倒的にアクも突っ込みどころも多いんですが、個人的にはまれたのはキュピパラ、という感じ。
ただ人に勧めるなら、ビルシャナの方が勧めやすい。わたしはアクの強いゲームの方が好きなのかな~と思いましたw
さ~続けてになりますが、ハイカラにいきます! 乙女ゲーラッシュだなあw